千年の時を超えて「#道長と同じ月を見上げよう」
【2024年11月9日 星ナビ編集部】
案内:塚田健さん(平塚市博物館)
NHK大河ドラマ『光る君へ』が話題です。国立天文台の渡部潤一さんが劇中に登場する月や星空の資料を提供していることもあり、星ナビのXでその描かれ方を紹介したり、星ナビ本誌でも、2024年5月号で陰陽師・安倍晴明を深堀りしたり、また2024年6月号で「枕草子」などに書かれた星空を解説してきました。
この時代の天体を記した文学として、『枕草子』の「星はすばる」に次いで有名なのが、藤原道長が詠んだ歌「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば」かもしれません。歌が詠まれたのは寛仁二年十月十六日(1018年11月26日)。道長の三女・威子が後一条天皇の中宮に立てられ、その祝いの宴席でのことでした。その日の月は朝7時過ぎに満月となっていますから、宴が催された時分には、ほんの少しだけ欠けた月が望めたはずです。
そして今年2024年の陰暦十月十六日は11月16日。満月となるのは朝6時29分。したがって21時ごろには、やはりほんの少しだけ欠けた月が見られます。つまり、道長が望月の歌を詠んだときに見た月とほぼ同じ形の月が見られるのです。しかも、『光る君へ』の公式ガイドブックによると、翌日11月17日放送の第44話でこの歌を詠むシーンが描かれるそうです。
私たちも、道長に負けないくらい盛り上がりたい! ということで、11月16日(土)にみんなで月を見上げるキャンペーンを実施します。月を見たり写真に撮ったりして、ハッシュタグ「#道長と同じ月を見上げよう」とともにぜひSNSに投稿してください。一千余年の時を超えて、道長が見たのと同じ月を一緒に眺めましょう!
〈関連リンク〉
- ハッシュタグ「#道長と同じ月を見上げよう」でXに投稿
- NHK大河ドラマ「光る君へ」
- 月刊「星ナビ」 シリーズ・天文外史
- 平塚市博物館 博物館日記「道長の望月」
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