野尻抱影生誕140年 横浜で企画展 望遠鏡「ロング・トム」で観望会開催も

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「星の文人」として星空へのロマンを熱く語った野尻抱影。生誕140年を記念し、今も多くのファンに愛される珠玉のエッセイや、全国から寄せられた星の和名収集にまつわる資料などを紹介する企画展が横浜で始まりました。8月1日(金)、2日(土)には野尻の愛機「ロング・トム」(日本光学工業製 口径4インチ屈折望遠鏡)による月の観望会が行われます。

【2025年4月27日 星ナビ編集部 ※7月24日更新(観望会情報を追記)

野尻抱影(のじり ほうえい、本名 野尻正英)は1885年(明治18年)に横浜で生まれ、昭和にかけて活躍した随筆家です。星の和名の収集・研究や、プルートの和訳に「冥王星」を提唱したことでも知られます。山や星を愛し、数多くの文章を残しました。代表作の「星三百六十五夜」や「星座巡禮」「日本の星」「星と伝説」などは、今でも多くの天文ファンに親しまれています。

その野尻抱影の生誕140年を記念した企画展が、横浜の大佛次郎記念館で始まっています。大佛次郎(おさらぎ じろう)は「鞍馬天狗」「スイッチョねこ」「天皇の世紀」などの著作で知られる作家で、野尻は大佛の長兄にあたります。月刊「星ナビ」では2025年3月号から、この兄弟にスポットを当てた小説「オリオンと猫 野尻抱影と大佛次郎物語」(執筆:瀬名秀明さん)の連載が始まっており、物語の舞台として大佛次郎記念館も登場しています。

観望会お知らせ
8月1日(金)、2日(土)に開催される観望会「100歳の望遠鏡”ロング・トム”で月を観よう!」

企画展では、野尻に関するさまざまな資料のほか、愛機「ロング・トム」(日本光学工業製 口径4インチ屈折望遠鏡)も展示されています。また8月にはロング・トムを用いた月の観望会も予定されているので、貴重な機会に記念館へ足を運んでみましょう。観望会の詳細、お申込はこちらのページから。企画展は8月31日(日)まで。

野尻抱影展フライヤーとロング・トム
野尻抱影展フライヤー(上左)と、野尻愛用の望遠鏡「ロング・トム」(上右)。2024年9月、小説家の瀬名秀明さんと大佛次郎記念館を取材訪問した際のようす。下は昭和15年9月11日 世田谷・桜新町の自宅にて近所の人と愛機ロング・トムで星を楽しむ野尻抱影(写真中央)。

《野尻抱影生誕140年記念「星の文人 野尻抱影の宇宙」》

■ 開催期間・時間:
  • 2025年4月26日(土)~8月31日(日)10:00~17:30(最終入館17:00)
■ 会場:
  • 大佛次郎記念館 2Fギャラリー(神奈川県横浜市中区山手町113)
■ 観覧料:
  • 一般200円(団体150円)、中学生以下無料
■ 協力:
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