へび座に12等の新星が出現

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7月17日、へび座に12等級の新天体が出現した。分光観測により古典新星であることが判明している。

【2025年7月22日 高橋進さん/VSOLJニュース

ロシアのニューミルキーウェイ(New Milky Way; NMW)サーベイチームが、7月17.9085日(世界時、以下同。日本時では18日6時48分ごろ)に撮影した画像から12.0等の新天体を発見しました。15.8055日の同チームの観測では14等以下で写っておらず、超新星サーベイを行っているASAS-SN(All-Sky Automated Survey for Supernovae)グループの15.9858日の観測で15.79等で写っていることから、15日に爆発し増光が起こったものと思われます。

新星の光度曲線
新星の光度曲線(CBETの報告から高橋さん作成)

新天体出現の報を受けて、露・コーカサス山天文台の2.5m望遠鏡で分光観測が行われ、P Cygプロファイルを持った水素のバルマー系列の輝線などが観測され、星間赤化を受けた極大前の古典新星であることが確認されました。

へび座の新星
へび座の新星(撮影:北極老人星さん。画像クリックで天体写真ギャラリーページを表示)

18~19日および20日(日本時間)にかけて東京都八王子市の伊藤弘さんが行った連続測光では、新星が極大に向かって増光していく様子と、おそらく極大を迎えたと思われる様子がとらえられています。

新星の光度曲線
伊藤弘さんの観測による新星の光度曲線(VSOLJの報告から高橋さん作成)。画像クリックで表示拡大

この季節のへび座は宵空で観測しやすい星座です。ぜひ多くの皆さんによる観測をお願いします。

新星の位置
新星の位置。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

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