- 講談社 刊
- 17.2 x 11.4cm、384ページ
- 2014年5月
- ISBN 978-4062578653
本書は数あるブルーバックスシリーズの中でも比較的ページ数が多い。それだけでも精読には時間がかかったが、輪をかけて内容が精緻。おまけに別記ご紹介の「地球全史スーパー年表」と被り、そっちを読みながらこっちを参照し、しかも重要箇所は筆者製作の「雑学天文大百科」に書き留めの作業の繰り返しで、大変な思いをした本である。
なので天文屋が最初に読みはじめるなら、最終第11章の「未来 惑星変化のシナリオ」からがおすすめだ。章頭「エンドゲーム:これからの50億年」は、当然太陽が白色矮星になるまでのプロセスを紹介したところだ。この辺が一般の読者とは異なり、天文屋に入れ込みやすいところ。以下、20億年後、2億5000万年後、5000万年後、100万年後、10万年後、5万年後、100年後と続く。
その後で、第1章「誕生 地球の形成」、第2章「大衝突 月の形成」を読み、第3章以下、従来の地質学的地球観へと読み進むのがよい。もちろん途中には地質学ばかりでなく、第6章「生きている地球 生命の起源」や第9章「白い地球 全球凍結と温暖化のサイクル」、第10章「緑の地球 陸上生物圏の出現」などもある。それぞれが、今から半世紀前に勉強したことと大違い、というか全く新展開の連続で、「地球全史スーパー年表」でご案内した通り、時代は変わったのである。歴史的力作の一冊。