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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

歴史のなかの天文 星と暦のエピソード

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歴史のなかの天文 星と暦のエピソード
 

  • 斉藤国治 著
  • 雄山閣
  • 18.6×12.8cm、236ページ
  • ISBN 978-4639024941
  • 価格 2592円

今回の書評は偶然古天文学書が2冊重なった。といっても本書の方は1995年に同出版社から出された『宇宙からのメッセージ 歴史の中の天文こぼれ話』の改題復刊書である。著者斉藤先生は、国立天文台で日食観測(皆既8回、金環2回)に活躍なされた天文学者で、残念ながら2003年に逝去なされた。

評者は、かつて前刊の方も読み、初めて古天文学の真髄に触れさせてもらった。本書では内容が改まっているわけではないが、今回一緒にご紹介しているマリ氏の本とは異なり、日本や東アジアの古天文学に関する本である。その冒頭を飾るのは、天の岩戸神話で知られた卑弥呼の話。学研M文庫『天照の謎と正体 アマテラスは男神だった!?』とか、文春新書『火山で読み解く古事記の謎』などを立て続けに読んで、なるほど天照大神が隠れたのは鬼界カルデラなどの火山噴火による噴煙のせいかも…と思ったりもするが、短時間ではあっても太陽が隠れた方が、古代人は恐れおののいたのではないかと思う次第。ただし、短時間であるが故に日食説に反対し火山説に賛同した有名人には、地球物理学者の寺田寅彦がいる。その他、剛胆だった信長が暗殺される同年オーロラや大流星雨を見たのにもかかわらず武田軍を打ち負かしたとか、シーボルト事件の高橋景保は傲慢だったため部下から妬まれていたなど、ともかく古天文学は面白いですよ!

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