- 教育評論社
- 200ページ
- 定価 1980円
かつて国立天文台副台長を務め、現在は同天文台上席教授をなさっている著者が、幼少時から親しんでこられた星座の話をまとめ上げたもの。したがって、単なる星座の本ではない。昔から各国・各民族の人々に伝えられた神話を含む星座談義を、著者流に語った本である。「はじめに」に記されているとおり、インターネットサイト「DSPACE」で150回にわたり連載された「星空の散歩道」から、執筆時には明らかになっていなかった事実についても加えて、今回の出版になった。だから、同時にご紹介する「星空の散歩道 惑星の小径編」もそれに準じた物である。
四季の星座が順を追って紹介され、春夏のテーマは、北斗七星、春の大曲線(命名者は評者の恩師、東京学芸大学教授の故鈴木敬信先生)、うみへび座、なぜか西向く動物群、ウルトラマン、からす、みずがめ座流星群2種、こと座流星群、サザンクロス、いろいろな七夕、やぎ座流星群、銀河、ペルセイド、南斗六星、魚釣り星、さそり座δ、へびつかい座、きりん座流星群、プロクシマ・ケンタウリB、アンドロメダ大星雲等々、いやはやもう大変だ。秋冬の話題などその詳細は本書をご参照ください。
ともかく評者にとっても、星ナビ記事やカルチャーセンターでの講演内容などにも、参考になることだらけ。「惑星の小径編」と共にオススメします。