2000年夏・リニア彗星(C/1999 S4)の見え方予報
【1999年10月27日】
今年9月27日、リンカーン観測所チームによって発見されたリニア彗星(C/1999 S4)は10月下旬現在、太陽から約4天文単位の位置にあり、地球からは15等台の明るさで観測されています。彗星は今後太陽に近づき、来年7月には地球から0.37天文単位まで接近、肉眼で見える彗星となる可能性があります。
2000年6月〜7月は、明け方の北東の空で見えています。明るさは双眼鏡で確認できるくらいになっていると思われます。7月中旬以降は急速に高度を下げ、7月26日に近日点を通過します。
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7月中旬以降は夕方の北の空低くに見えるようになります。この頃のリニア彗星は周極星となり、北に行くほど観測条件はよくなるでしょう。彗星がもっとも明るくなるのも7月中旬であると思われますので、この頃のリニア彗星は見逃せません。彗星はその後夕方の空で急速に西に移動していきます。
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彗星の軌道要素と位置予報は以下の通りです(MPEC 1999-U14(Oct.19,1999)より引用)。
近日点通過時刻 = 2000 July 26.4630 TT 近日点引数 = 150゜.9862 軌道離心率 = 1.0 昇交点黄経 = 83゜.1500 (2000.0) 近日点距離 = 0.766618 AU 軌道傾斜角 = 149゜.3454 日 付 赤経 (2000.0) 赤緯 地心距離 日心距離 明るさ 年 月 日 時 分 ゚ ' 天文単位 天文単位 等 2000 05 16 01 57.62 +29 45.7 2.371 1.504 10.6 2000 05 21 02 00.16 +30 27.7 2.258 1.435 10.3 2000 05 26 02 02.77 +31 15.0 2.135 1.366 10.0 2000 05 31 02 05.48 +32 08.9 2.004 1.297 9.6 2000 06 05 02 08.35 +33 11.0 1.863 1.229 9.2 2000 06 10 02 11.48 +34 23.6 1.714 1.162 8.8 2000 06 15 02 15.06 +35 50.5 1.556 1.098 8.4 2000 06 20 02 19.45 +37 37.2 1.389 1.035 7.9 2000 06 25 02 25.33 +39 52.8 1.215 0.976 7.3 2000 06 30 02 34.09 +42 53.0 1.035 0.921 6.7 2000 07 05 02 48.93 +47 04.4 0.853 0.873 6.1 2000 07 10 03 18.84 +53 11.7 0.673 0.831 5.3 2000 07 15 04 36.39 +61 40.0 0.510 0.799 4.6 2000 07 20 08 08.06 +63 51.9 0.395 0.777 3.9 2000 07 25 10 59.42 +42 21.8 0.383 0.767 3.8 2000 07 30 11 56.72 +19 28.2 0.483 0.770 4.3 2000 08 04 12 19.58 +05 43.2 0.641 0.785 5.0 2000 08 09 12 30.57 -02 13.4 0.819 0.811 5.7 2000 08 14 12 36.48 -07 10.8 1.001 0.847 6.3 2000 08 19 12 39.95 -10 32.0 1.180 0.892 6.9 2000 08 24 12 42.20 -12 58.0 1.352 0.943 7.4 2000 08 29 12 43.82 -14 50.2 1.515 1.000 7.9
以下のページではLINEAR彗星(C/1999 S4)の動きをJAVAでシミュレーショ ンすることができます。
<参照>
・来年夏に肉眼彗星か? (10月7日)
・MPEC 1999-U14(Oct.19,1999)