地上から望遠鏡でとらえられたディスカバリー号の画像各種
【2000年10月16日 アストロアーツ】
日本時間10月12日午前8時17分に打ち上げられたスペースシャトル・ディスカバリー号(STS-92/3A 国際宇宙ステーション組み立てフライト, 日本人の若田光一さんも搭乗)の姿が、各種地上望遠鏡により撮影成功しているので紹介する。
アメリカ西海岸中腹からとらえられた打ち上げ上昇中のディスカバリー号
NASAの関係者であるGeorge Varrosさんが、打ち上げ上昇中のシャトルをメリーランド州のエアリー山から撮影することに成功した。メアリー山はアメリカ西海岸の中腹に位置し、打ち上げ地点のフロリダ州ケネディー宇宙センターからはおよそ1,500キロメートルの距離だ。
撮影機器は、口径80mmの反射望遠鏡、ビデオカメラ(直焦点撮影)。そしてなんと、シャトルの導入&追尾は手動による。撮影日時はアメリカ東部夏時間10月11日午後7時21分(日本時間10月12日午前8時21分)ごろで、リフトオフから約4分後である。
下記リンク先で動画がダウンロード可能だ。
Image credit: George Varros
日本の公共天文台が撮影したディスカバリー号
北海道陸別町の銀河の森天文台と富山県富山市の富山市天文台がディスカバリー号の拡大ビデオ撮影に成功した。
銀河の森天文台は日本時間10月13日午後5時28分ごろシャトル単体、10月14日午後6時00分ごろ国際宇宙ステーション(ISS)とドッキング後のシャトルの撮影に成功。富山市天文台は日本時間10月13日午後5時23分ごろシャトル単体の撮影に成功した。
10月13日夕方に両天文台が撮影したものはほぼ同時刻で別地点からの撮影であり、シャトルが見える角度の違いによる形状の違いがわかり面白い。また、ISSへ向かうシャトルは単体での飛行期間が比較的短いため、シャトル単体で撮影された画像は貴重である。
10月14日夕方に銀河の森天文台が撮影した画像は、左端がシャトルだ。この撮影時にはシャトル/ISSは同天文台のほぼ真上を通過したそうだ。同天文台では、EVA(船外活動)中の宇宙飛行士の姿の撮影にも挑戦したいとのことだ。
なお、撮影に使用された銀河の森天文台が口径115cm「りくり」望遠鏡、富山市天文台の1.0メートル望遠鏡は共にアメリカのコントラベス社製であり、日本全国の自治体が所有する大型望遠鏡で人工天体の追跡ができるのはこれら2基だけだ。
下記リンクの富山市天文台のページからは動画のダウンロードも可能。
注:画像のスケールは統一されていない
Image credit: りくべつ宇宙地球科学館(愛称:銀河の森天文台), 富山市天文台
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- 2000. 8.23 北海道陸別町の銀河の森天文台、国際宇宙ステーションを撮影成功