太陽面で最大級のフレアが発生
【2001年4月3日 通信総合研究所,SpaceWeather.com (2001.04.03)】
日本時間4月3日6時30分(日本時間)ごろ、大型の太陽フレアが発生した。
このフレアは、3月30日にアストロアーツニュース「ここ10年で最大の黒点群が出現中」で伝えした、今太陽活動期で最大の黒点群から発生したもの。
今回のフレアは、アメリカの静止気象衛星GOESの搭載装置により、X線強度が最大X17と測定された。これは、これまでの太陽フレアの観測の中では最大級のもの。「SpaceWeather.com」 の速報では、今回のフレアは過去25年で2番目に大きいとしている(最大は1989年8月16日のX20)。
これに伴い、通信総合研究所は平磯太陽観測センターでの観測にから太陽プロトン等の発生が懸念されるとして、日本時間4月3日8時20分ごろに臨時太陽地球環境予報を発表し、注意を呼びかけた。通常、太陽フレアの発生は大規模な地磁気嵐やオーロラなどを引き起こすことがあり、衛星に障害を与えたり無線通信に悪影響を及ぼすことがある。
ただし、今回のフレアを発生させた黒点群は現在太陽の西縁に位置し、地球からは見えなくなりつつある。このため今回のフレアも地球とは離れた方向に噴出しており、地球に大きな被害は及ばないもようだ。
なお、先日3月31日には、この黒点群から発生したと思われるフレアにより、北海道でオーロラが観測された。今回のフレアは噴出方向が異なるので、オーロラの発生が国内で捉えられる可能性は低いかもしれないが、北の空には注意しておきたい。
<情報提供>
- 矢治健太郎さん (かわべ天文公園)
<関連リンク>
- 4/3 太陽面で最大級のフレア(表面爆発)が発生(速報) - 独立行政法人 通信総合研究所
- 過去の太陽地球環境予報 - 平磯宇宙環境観測センター
- SpaceWeather.com(英文)
- 「POWERFUL FLARE」と題して、今回のフレアのことを速報。「カナダのケベックの大停電を引き起こした1989年3月のフレアに似ているが、フレアを発生させた太陽黒点(9393)が西のリム近くにあるので、このような被害はないだろう」とある。また、過去25年の巨大フレアのランキングリストや太陽観測衛星SOHOによるフレアに関係したコロナ質量放出(CME)の動画も掲載。
<太陽画像リンク>
- 学園都市の空 (高橋 篤司さん/「太陽日記」を参照)
- かわべ天文公園の今の太陽 (リアルタイム中継)
- 惑星観測の広場 (月・惑星研究会 忍穂井幸夫さん/「<Sun>」、「ニュース」を参照)
- ワニワニ学級へようこそ - 太陽
- 太陽観測探査機SOHO (英文、「THE SUN NOW」を参照)
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