夜明け前の東の空で水星とリニア彗星が見ごろ

【2002年2月20日 アストロアーツ】2月21日更新

(2月21日更新分)

(リニア彗星C/2000 WM1の2月20撮影の写真)

リニア彗星C/2000 WM1。2月20日撮影。コマの視直径3.4分、尾の長さ15分。クリックで拡大(撮影:アストロアーツ 門田健一)

リニア彗星(C/2000 WM1)に関して以下の修正、追加。

  • 光度係数の修正(標準光度6.0等、光度係数10.0)
  • 追加画像を公開

(2月20日更新分)

夜明け前の東の空に2つの「すい星」が見えている。「水星」と「リニア彗星(C/2000 WM1)」だ。

(彗星とリニア彗星の位置の図)

日の出1時間前の東京の空。水星(左下)は2月21日の位置、リニア彗星は2月21日〜3月17日まで。高度(方位)線は10度間隔。クリックで拡大

まず水星だが、22日に西方最大離角となる。明るさはほぼ0等級で、薄明の中でも比較的見やすいはずだ。ただし、地平高度が低いので、東の低空がよく開けたところで見るようにしたい。また、双眼鏡などを使うとより見つけやすくなるだろう。図は21日の日の出1時間前(東京)における位置を示しており、日が経つにつれて地平高度が下がって見にくくなっていく。

 

(リニア彗星C/2000 WM1の2月17日撮影の写真)

リニア彗星C/2000 WM1。2月17日撮影。コマの視直径1.7分、尾の長さ6分。クリックで拡大(撮影:アストロアーツ 門田健一)

次にリニア彗星(C/2000 WM1)だ。こちらは図を見てもわかるように、今後どんどん地平高度が上がっていく。明るさは約6等級。やはり双眼鏡などを使って見るようにしたい。軌道要素や詳しい位置については以下を参照のこと。夕方の西空に見える池谷・張彗星(C/2002 C1)とともに、一日に2つ彗星を見られるチャンスだ。彗星ファンには睡眠不足の日々が続くことだろう。

<軌道要素>

アストロアーツのダウンロードサービス内の最新軌道要素のページから、リニア彗星や池谷・張彗星などの軌道要素を追加・更新した軌道要素データがダウンロード可能なので、こちらもあわせてご利用いただきたい。(軌道要素データはステラナビゲータVer.5ステラプレイヤーで利用可能。)

(提供:村岡健治氏)
近日点通過2002年1月22.67409日
近日点距離0.5552910AU
離心率0.9998848
近日点引数276.77426度
昇交点黄経237.89583度
軌道傾斜角72.54992度
元期2002年2月15.0日
標準光度6.0等
光度係数10.0

<星図>

(リニア彗星C/2000 WM1の位置の星図)

日本時0時におけるリニア彗星C/2000 WM1の位置(2000.0年分点)。クリックで拡大

<位置推算表>

日本時0時における位置(2000.0年分点)
月日赤経赤緯太陽離角
2/2119h25.9m-29°35'43.6°W
2/2319h25.3m-27°56'45.2°W
2/2519h24.9m-26°18'47.0°W
2/2719h24.5m-24°40'48.7°W
3/ 119h24.1m-23°02'50.5°W
3/ 319h23.8m-21°24'52.4°W
3/ 519h23.5m-19°47'54.3°W
3/ 719h23.1m-18°10'56.2°W
3/ 919h22.7m-16°34'58.1°W
3/1119h22.3m-14°57'60.1°W
3/1319h21.8m-13°21'62.1°W
3/1519h21.3m-11°45'64.1°W
3/1719h20.6m-10°08'66.1°W