チャンドラが発見した球状星団中のX線連星

【2003年8月7日 Chandra Photo Album

X線観測衛星チャンドラによって、12個の球状星団からX線連星が発見された。X線連星の起源について重要な手がかりが得られそうだ。

(X線で観測した球状星団の画像)

チャンドラで観測した球状星団NGC6266(左)とNGC7099(提供:NASA / CXC / MIT / UIn / D.Pooley et al. / H.Cohn & P.Lugger et al.)

球状星団は、直径約100光年ほどの領域に数十万から数百万個の恒星が集まっている天体だ。星と星との間は0.1光年程度まで近づくこともあり、とても恒星が密集している領域である(一般的には、星と星との間は数光年ほど離れている)。

このように密集した領域では星同士の相互作用が起こりやすいために連星ができあがりやすいのだろう。同じ球状星団でもよりコンパクトに密集した球状星団のほうが連星が多く観測されることからも、相互作用によって連星が形成されるという説が裏付けられる。

X線で観測されるのは、中性子星や白色矮星のような高密度の天体と太陽のような普通の星からなる連星系だ。球状星団では、他の場所に比べて1000倍も多い割合でX線連星が見つかっている。これらの天体は球状星団の進化にも大きな影響を与えるため、観測結果の解析によってX線連星の起源だけでなく球状星団についても多くのことがわかってくることが期待される。