土星探査機カッシーニによる土星の衛星画像(エンケラドス、ヤヌス、ミマス、パンドラ)

【2005年4月7日 JPL Cassini-Huygens Multimedia Images (1) / (2) / (3) / (4)

土星探査機カッシーニが撮影した土星の衛星画像の公開が続いている。エンケラドスの地殻変動による複雑な地形や、ヤヌスの大きな2つのクレーター、紫外線で捉えたミマスのクレーター、土星の環の端にたたずむように捉えられた衛星パンドラの印象的な画像を紹介しよう。


地殻運動が造りだす、複雑なエンケラドスの地形

(エンケラドスの画像)

複雑な地形を見せるエンケラドス。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

この高解像度の画像は、衛星エンケラドスから約1万2000kmの距離からカッシーニが3月9日に捉えたものだ。エンケラドスの複雑な地形が捉えられており、多くのクレーターが地殻運動によって大きく変形しているのがわかる。特に、右上の直径10kmクラスのクレーターでは、北東のスロープに沿って南北に割れ目が走っている。画像のスケールは、1ピクセルあたり70m。


ヤヌスの大きな2つのクレーター

(衛星ヤヌスの画像)

衛星ヤヌス(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

2月18日にカッシーニが捉えた衛星ヤヌスの画像には、昼と夜の境目付近に大きな2つのクレーターが見えている。左側がかすかに明るくなっているのは、土星で反射した光に照らされているためだ。画像スケールは、1ピクセルあたり7km。


ミマスの傷跡、巨大クレーター

(衛星ミマスの画像)

衛星ミマス(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

2月18日にカッシーニが約94万キロメートルの距離から捉えた衛星ミマス(直径397km)である。この画像では紫外線で観測を行っているが、紫外線による観測は可視光の場合にくらべてクレーターの壁がより鮮明に浮かび上がっている。右側に大きく口を開けているのは、ハーシェル・クレーター。画像のスケールは、1ピクセルあたり6km。


土星の環と衛星パンドラ

(衛星パンドラの画像)

衛星パンドラ。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

カッシーニが2月18日に捉えたこの画像には、土星の衛星パンドラが土星のF環のすぐ外側にある様子が収められており、印象的な1枚となっている。キーラーの間隙やエンケの間隙、明るいF環の内側の領域も捉えられている。パンドラは、直径84kmの小さな衛星である。