すばる望遠鏡、土星の新衛星を12個発見

【2005年5月20日 国立天文台 アストロ・トピックス(104)

ハワイ大学のデービッド・ジューイット(David Jewitt)らの研究チームは、マウナケア山頂のすばる望遠鏡をはじめとする望遠鏡群を用いて、土星の新しい衛星を12個発見しました。

すばる望遠鏡の主焦点カメラ(Suprime-Cam、Subaru Prime Focus Camera)は、一度に月の直径ほどの広視野を撮影できる視野の広いカメラで、新しい天体を捜索するのに威力を発揮してきました。ジューイットらは、2004年12月12日に、このカメラを用いて、土星の周辺にある新しい衛星の捜索を行い、その候補を発見しました。さらに、2005年の1月から3月まで、おなじくマウナケア山頂にあるケック望遠鏡やジェミニ北望遠鏡を用いて、追跡観測を行い、それらのうち12個が土星の周りを回っている衛星であることを確かめました。

今回発見された衛星は、大きさがわずか3〜7キロメートルと非常に小さく、11個は土星の自転と反対向きに回っている逆行衛星でした。土星の外側には、同様の逆行衛星が数多く発見されていますが、この発見によって、これら逆行衛星の起源に関する理解が一層深まると期待されています。この発見によって、国際天文学連合から発表されている土星の衛星の数は、不確かなものまで含めると49個となり、この直後に報じられたカッシーニ探査機による発見を含めると50個となりました。

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