ヨーロッパ南天天文台(ESO)が超大型望遠鏡計画を本格スタート

【2006年12月13日 ESO Organization News

ヨーロッパ南天天文台(ESO)の審議会は、直径42mの主鏡を持つ超巨大望遠鏡(Extremely Large Telescope)の建設計画について、最終デザイン案の決定段階に入ることを正式に承認した。ESOでは、むこう3年間で予算や設計面の詳細を決定し、2017年までに望遠鏡の建設完了を目指す意向だ。


(超巨大望遠鏡(Extremely Large Telescope)の想像図)

超巨大望遠鏡(Extremely Large Telescope)の想像図。クリックで拡大(提供:ESO

ESOでは、この超巨大望遠鏡(Extremely Large Telescope)計画案について昨年末に検討を開始した。検討には、ヨーロッパ各地の天文学者100名以上が参加し、コンセプトや予算、スケジュール、リスクなどが話し合われ、検討開始から1年ほどという驚くほどのスピードで来年1月から本格的に計画の細部決定段階に入ることになった。

この計画がヨーロッパの研究者に発表されたのは、約2週間前。フランスのマルセイユで行われた会議の場で、ヨーロッパ各地から参加した250名以上の天文学者から熱烈な支持を受けた。

地上に設置される超巨大望遠鏡の仮称は「E-ELT」と名づけられ、主鏡の直径は42m、観測は可視光線と紫外線の波長の両方で行われる。

ESOでは、早速予算を含めた建設の詳細決定に取り掛かり、3年後には着工開始の予定だ。また、2017年までに望遠鏡の建設と観測機器の取り付けを終了し、利用も開始する意向であると発表している。