もっとも熱く、もっとも黒い系外惑星を発見
【2007年5月11日 Spitzer Space Telescope Newsroom】
NASAの赤外線天文衛星スピッツァーによる観測で、系外惑星HD 149026bの表面温度が摂氏2038度と現在知られている惑星の中でもっとも高温であることが明らかとなった。
HD 149026bは、ヘルクレス座の方向約250光年の距離に位置し、2.9日の周期で恒星の周りを回っている。質量は土星ほどで、トランジット法で発見された系外惑星の中でもっとも小さい。トランジット法とは、惑星が恒星の前を横切る際、恒星の光が暗くなるのを利用して惑星を検出する方法だ。
スピッツァーの観測から明らかになったHD 149026bの温度は、摂氏2038度。ちなみに太陽系の中でもっとも熱いとされる金星の温度は摂氏500度程度である。
高温の理由について、セントラル・フロリダ大学のJeseph Harrington氏が率いる研究チームでは、惑星が恒星の光を反射せず、すべて吸収しているためだと考えている。その意味でHD 149026bは、もっとも高温であることに加え、もっとも真っ黒な惑星と言える。白い色より黒い色の方が光を吸収しやすいのだ。
ステラナビゲータVer.8で系外惑星の位置を表示
ステラナビゲータVer.8では、HD 149026bが存在する恒星、HD 149026を星図に表示させることができます。惑星の存在が確認された200個にのぼる恒星は、追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しています。ステラナビゲータ Ver.8をご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてください。