国立天文台、乗鞍コロナ観測所の運用停止と後利用募集
【2008年6月26日 国立天文台】
国立天文台の太陽観測施設である乗鞍コロナ観測所は、施設の老朽化が進み環境維持が困難であるため、2010年3月末で観測利用を停止する。これに伴い、国立天文台は同施設を引き継いで利用する希望者を募っている。
国立天文台太陽観測所・乗鞍コロナ観測所は、1949年に東京大学東京天文台の附属施設として北アルプス乗鞍山系摩利支天岳(標高2876m)の頂上に開設された。3つのコロナグラフを備えており、空の背景光が少ない環境を生かして、太陽の外層大気であるコロナを中心に観測を行い、数多くの研究成果をあげてきた。
しかし、開所から60年近くがたち、厳しい自然環境の中、観測設備を含めた建物の老朽化が進み、年々維持運営が難しくなってきた。さらに、冬季は雪に閉ざされ物資や人員の輸送が困難であり、晴天日数も少ないことから1998年以降は夏季のみの観測運用が続いていた。
そのため、今年3月10日の国立天文台運営会議で、2010年3月以降、同観測所における共同利用観測を停止することが決まった。2006年に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」との共同観測による成果をもって、区切りとする。
同観測所の有効利用を図るため、国立天文台は後利用希望者からの利用計画を募集している。計画書の提出期限は9月5日(金)まで。提出に関する条件、問い合わせ先などの詳細は、以下のホームページを参照のこと。