ALMAで干渉計実験に成功
【2009年5月28日 国立天文台 アストロ・トピックス(474)】
日本が参加している国際望遠鏡プロジェクト「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」(ALMA)で、4月30日に北米製と日本製2つのアンテナを結合させて、天体からの電波を受信する実験が行われた。実験は成功し、アンテナやハードウェアが「干渉計」として働くことが確認された。
アストロ・トピックスより
4月30日、チリ北部に建設中の大型電波望遠鏡プロジェクト「ALMA」は、天体からの電波を2つのアンテナを結合させて受信し、干渉計としての性能を確認する重要なマイルストーンを達成しました。
標高2900mの山麓施設(OSF)において、日本と北米がそれぞれ製作した直径12mのアンテナ2台を結合させて、火星からの電波を受信し、干渉縞(フリンジ)を確認することができました(専門用語で「ファースト・フリンジ」と呼びます)。これは、アンテナおよび関連するハードウェアが「干渉計」として働くことを確認できたことを意味します。
「ファースト・フリンジを達成したことにより、アンテナおよび関連する様々なハードウェアが統合されたシステムとして働くことを証明できた。これは、国際連携による強みであり、ALMA観測所がまた一歩前進した」とALMA観測所長であるThijs de Graauw氏は語っていました。
今回は標高2900mでのアンテナ2台の干渉計としてのテストでしたが、最終的には地球上で最も天体観測に適した標高5000mのALMA山頂施設に設置され、世界最高性能の電波望遠鏡として宇宙の謎の解明に挑みます。