いて座に今年4個目の新星が出現、西山さん椛島さんが発見

【2009年10月27日 VSOLJニュース(223)】

福岡県の西山浩一さんと佐賀県の椛島冨士夫さんが、10月26日(世界時)に撮影した画像から、いて座に9.3等の明るい新星を発見した。西山さんと椛島さんは今年4月、8月にもいて座に新星を発見されており、銀河系内の新星発見は通算8個目となった。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

アンドロメダ座大銀河M31は毎年数十個の新星が発見されますが((VSOLJニュース 222「アンドロメダ座大銀河に明るい新星が出現」など)、私たちの銀河系では、銀河円盤にある星間物質によって光が吸収されて見通しがきかないため、新星も私たちの近くに出現する年間数個程度しか見つかりません。とは言え、天の川に沿った方向では星の数も多く、なかでも銀河系中心方向であるいて座などでは、毎年のように新星が出現し、1年に複数の新星が見つかることもあります。

秋も深まって太陽が近づいてきたため観測は困難ですが、いて座に新星が出現しました。いて座の新星は今年4個目です。新星を発見したのは、福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんのチームです。新星の位置は以下のとおりです。

  赤軽  18時31分32.79秒
  赤緯 -16度19分07.5 秒 (2000年分点)
  新星周辺の星図

10月26.439日(世界時、以下同様)での明るさは9.3等でした。26日のうちに、イタリアで確認され、またチリに置かれた自動望遠鏡ASAS-3でも検出されています。21日には13.4等より明るい天体はなく、また過去の画像では21等より明るい星はなかったとのことなので、爆発後まもない新星だと思われます。今後の光度変化やスペクトル確認が楽しみです。


いて座の新星の位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

<参照>

  • CBET 1994: NOVA SAGITTARII 2009 No. 4 (2009 Oct. 26)
  • CBET 1995: NOVA SAGITTARII 2009 No. 4 (2009 Oct. 27)
  • VSOLJニュース(223): いて座に今年4個目の新星が出現
  • 国立天文台 アストロ・トピックス(514): 西山さんと椛島さん、いて座に新星を発見

<関連リンク>

<関連ニュース>