西村栄男さん、たて座に新星を発見

【2009年11月10日 VSOLJニュース(225)】

静岡県の西村栄男さんが、11月8日(世界時)に撮影した画像から、たて座に8等級の新星を発見された。西村さんはこれまでにも多数の新星を発見されており、今回の発見は昨年5月以来となる。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

(西村栄男氏撮影の発見画像)

西村栄男氏撮影の発見画像。キヤノン EOS 5D+コニカミノルタ 120mmレンズで撮影。クリックで広範囲を表示(提供:西村栄男氏)

(遊佐徹氏撮影の確認画像)

遊佐徹氏撮影の確認画像(8.3等)。米ニューメキシコ州メイヒルの25cm反射望遠鏡を使ったリモート観測で確認。クリックで広範囲を表示(提供:遊佐徹氏)

たて座は、天の川の中に埋もれた小さな星座です。明るい星は少ないですが、天の川の濃い部分にあるために、変光星や新星が数多く見つかっています。そんなたて座に、新星が発見されました。新星を見つけたのは、静岡県掛川市のベテラン捜索者、西村栄男(にしむらひでお)さんです。

西村さんは、11月8.37日(世界時、以下同様)に撮影した画像で、8等級の新しい天体に気付いて報告しました。前日にはこの位置には11.5等級より明るい天体はありませんでした。発見報を受けて、イタリアのグループが9.08日に天体を確認し、以下の精測位置を報告しています。

  赤軽  18時43分45.57秒
  赤緯 -07度36分42.0 秒 (2000年分点)
  新星周辺の星図

今後の明るさの推移やスペクトル観測が楽しみです。


たて座の新星の位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。