くじら座の変光星ミラ、南東の空で明るさがピーク
【2010年10月19日 アストロアーツ】
代表的な長周期変光星、くじら座のミラが10月15日に3等級で極大をむかえたようだ。これからしばらく、宵のころに南東の夜空で赤く輝いたあと、来年6月にかけてゆっくりと暗くなっていく。
極大を迎えたくじら座のミラ
くじら座のミラが極大を迎えました。今年はちょうど見やすい時期での極大で、誰でも肉眼で気軽に観測が可能です。ぜひ明るいミラの様子を観測してみてください。
くじら座のミラ(くじら座オミクロン星)は、周期およそ332日で3等から10等ほどの範囲を変光する長周期変光星です。極小光度は毎回9〜10等ですが、極大光度は、暗い時は5等の時もあれば明るいと2等以上にもなることがあり話題になります。今年の極大は10月中旬と予想され、多くの観測者により観測が続けられています。
変光星観測者メーリングリストである「VSOLJメーリングリスト」に寄せられたデータによると、7月初めにおよそ9等の極小になったミラは、9月初旬から急速に明るくなっていきました。とくに9月10日から20日にかけては、1日で0.3等近いスピードで明るくなっていきました。その後もゆっくりと明るさを増し、10月14日または15日に3.0等の極大に達したとみられています。これはミラの極大としては明るいものです。
このあとしばらくは極大光度が続くかと思われますが、その後は来年6月と予想されている極小に向かってゆっくりと減光していくものと思われます。今の時期のくじら座は一晩中見えている絶好の観測好期です。望遠鏡も双眼鏡もなしで誰でも観測できますので、ゆっくりと暗くなっていくミラの様子をぜひお楽しみください。