3日(日)まで開催中 CP+の天文ファン的見どころと講演会
【2013年2月1日 星ナビ編集部】
パシフィコ横浜(神奈川県)で開催中のCP+(シーピープラス)は、写真・映像関連の新製品や技術を紹介する「総合的カメラ映像ショー」だ。イベントにはカメラメーカーだけでなく望遠鏡・双眼鏡メーカーも参加していて、天文関連の講演会も開かれる。ここでは、CP+の天文ファン的見どころを紹介しよう。
メーカーブース見どころ
CP+の会場に入ると、オリンパス/SONYが左右に並び、奥には、キヤノン/ニコンの大きなブースが眼に入ってくる。カメラやレンズもいろいろ気になるところだが、今年はCP+で発表となる注目の「デジタル一眼レフ」や「ミラーレス」は無く、ちょっと寂しい感じ。
会場入り口から見て左奥にブースを構える富士フイルムは、SONYの「NEX-6」とともに画質の良さが際立った「X-E1」(「星ナビ」3月号の「ミラーレスで天体写真」特集参照)をはじめ、クラシカルな銀塩カメラ風デザインを採用したコンデジやミラーレスをラインアップ。
反対の会場右側には「望遠鏡ゾーン」が展開されている。望遠鏡・双眼鏡関連でCP+に出展しているのは、ビクセン/ケンコー・トキナー/サイロトンジャパン/トミーテック。ニコンイメージングジャパンと興和オプティカル(コーワ)は、双眼鏡やスコープ類を展示している。
2013年は春の「パンスターズ彗星」と年末の「アイソン彗星」が大きな話題となるが、彗星のイメージでブースを演出し「観測セット」を展示していたのはケンコー・トキナー。「観測セット」は8×30双眼鏡/三脚/ビノホルダー/スマートフォン撮影アダプタで構成されている。
ビクセンのブースで目にとまったのは参考出品の「V-SDP125S」。天文ファンならそのシルエットからペンタックス125SDPとそっくりなことに気がつくが、それもそのはず、ビクセンがその設計図面や関連特許を買い受けて試作したもので、発売は未定とのこと。
サイトロンジャパンからは人気の超小型追尾架台「nano.traker」のカラーモデルが参考出品されていた。赤/ピンク/オレンジ/黄色/緑/水色/青/紫の8色でなかなかにカラフル。
天体だけでなく野鳥や超望遠撮影システムに活用の場を広げているトミーテックは「BORG」の新シリーズ「M42鏡筒システム」を開発中で、その試作モデルを展示していた。
「フォトアクセサリーゾーン」に出展しているのは、高精度でコンパクトな追尾架台を作っている「TOAST-TECHNOLOGY」。GPSレシーバーと高度/方位センサーを内蔵した極軸望遠鏡不要の極軸セッティングシステムの試作モデルを参考出品していた。
チェックしたい講演会やセミナー
各メーカーの新製品や参考出品だけでなく、講演会やセミナーにも注目したい。2月2日(土)と3日(日)に望遠鏡工業会ブースで予定されているセミナーは以下(敬称略)。
《CP+2013望遠鏡セミナー》
- 2月2日(土)
- 11:00〜12:00 「Nikon 1でのデジスコーピング〜天体とミクロの世界」
講師:中村昌弘 - 12:10〜13:10 「野鳥撮影講座」
講師:叶内拓哉 - 13:20〜14:20 「フィールドスコープによる野鳥撮影アラカルト」
講師:吉野 信 - 14:30〜15:30 「双眼鏡で写真が上手くなる!?自然観察と光学機器活用のススメ」
講師:高野 丈 - 15:40〜16:40 「星景写真に挑戦しよう」
講師:大西浩次 - 2月3日(日)
- 11:00〜12:00 「初めての天体写真 〜写してみたい“ほうき星”〜」
講師:島田敏弘 - 12:30〜13:30 「超望遠撮影 デジスコ入門」
講師:石丸喜晴 - 14:00〜15:00 「身近な野鳥を撮ろう!野鳥撮影に必要な機材の選び方入門」
講師:近 勝之
別会場(パシフィコ横浜内アネックスホール)になるが、3日(日)14:30からは朝日新聞記者でアマチュア天体写真家でもある東山正宜氏による「新聞報道と天体写真 1面の写真はどう撮られたか」が開かれる。
また、ペンタックスリコーブースでは「GR DIGITAL IV 都会でも撮れる!星の光跡写真」と題した講演があった。自身も天体写真ファンで、GR DIGITAL IVにインターバル合成機能の搭載を提案した同社エンジニアの山本勝也氏が比較明星景について深く語るもので、2日(土)の10:45からも同一内容の講演が予定されている。
CP+は2月3日(日)までで入場料は1,000円(税込)。イベントウェブサイトで事前登録をすれば無料。カメラ、天文機材の最新情報を見に出かけてみよう。2月2日は10時〜17時、最終日の3日は10時〜16時だ。