明け方の空にも現れ始めたパンスターズ彗星
【2013年3月27日 アストロアーツ】
3月中旬ごろから日没後の西の空に見えていたパンスターズ彗星(C/2011 L4)が、明け方の北東の空にも現れるようになってきた。今後は暗くなっていくものの高度が上がるので、双眼鏡での観察や撮影はまだ楽しめそうだ。4月5日前後にはアンドロメダ座大銀河への接近もあり見逃せない。
日没後の西の空の低いところに見えるパンスターズ彗星(C/2011 L4)が、3月末ごろから明け方の北東の空でも見られるようになる。26日の夜明け前には、関東で撮影された写真にとらえられている(画像)。
夕方の空では日ごとの高度変化はほぼ横ばい状態だが、明け方の高度はそれよりも速いペースでどんどん高い位置に上っていく。明るさは3等級にまで暗くなっているが、高度が上がる分、見やすくなってくるだろう。この後も北上を続け、4月中旬には北の空で一晩中沈まない周極星となる。
肉眼で見つけられるほど明るくはないが、星図やナビゲーションアプリで位置を確かめて、双眼鏡で探してみよう。準備された機材で見たり、解説を聞いたりすることができる観望会への参加もおすすめだ。
4月上旬にはアンドロメダ座大銀河(M31)に接近し、面白い2ショットとなる。4月中旬にはカシオペヤ座を通過し、W字形が彗星を見つけるよい目じるしになるだろう。最初で最後のパンスターズ彗星の到来は、まだまだ見どころがいっぱいだ。
モバイルアプリで彗星を探そう
総合天文アプリ「iステラ」(iPhone/iPod touch用)や「iステラ HD」(iPad用)では、いつどの方角にパンスターズ彗星が見えるかを星図でシミュレーションできるほか、実際の空で彗星が見える方向を矢印で教えてくれる機能もある。Android用アプリ「スマートステラ」も、彗星表示に近日対応予定だ。
パンスターズ彗星の観望に特化したiPhone/iPad用無料アプリ「パンスターズ彗星を見よう」も公開されている。
4月上旬にはアンドロメダ座大銀河(M31)と接近
4月上旬には、今回のパンスターズ訪問のハイライトである、アンドロメダ座大銀河(M31)への接近が見られる。4月4日〜5日の夜の最接近では、視野3度以内(腕を伸ばして、揃えた2本の指の幅くらい)まで近づく。あらかじめ天文ソフト「ステラナビゲータ」でシミュレーションして、2ショットを狙ってみよう。
日の入り後1時間後の北西の空、あるいは日の出1時間前の北東の空に設定し、リボンバーの「星雲・星団」タブの「マーク」「通称」「画像」などをオンにすると、アンドロメダ座大銀河(M31)が星図に表示される。
「視野・写野」タブから「視野円」や「写野角」の表示をオンして、双眼鏡での視野を確かめたりお手持ちの撮影機材での構図を検討したりすることもできる。
彗星も銀河も淡い天体なので双眼鏡ではぼんやりと見えるが、望遠レンズで撮影すればとらえることができる。毎日の彗星の移動と姿の変化を撮影するとおもしろいだろう。