NASAが計画、小惑星を月付近に誘導して直接探査
【2013年4月11日 NASA/Aviation Week】
無人宇宙機で小惑星を月周辺まで誘導し、宇宙飛行士がそこに赴いて直接探査する。そんな野心的なミッションがNASAの来年度予算案で公表された。
10日に公表されたNASAの2014年度予算概算要求で公表されたのは、小惑星のサンプル…ではなく、小惑星そのものを持ち帰るという驚きのミッションだ。まず無人機で小惑星を捕獲し、地球から見て月の裏側にある重力均衡点(ラグランジュ点L2)まで誘導して配置する。その後、宇宙飛行士が宇宙船で小惑星に赴いて直接調査を行うという計画である。
計画を立案した米ケック宇宙研究所は、ターゲットのモデルを幅7m、重さ500tの小惑星と設定したうえで約26億5000万ドルの総費用を見積もっている。
NASAではこの計画提案により、必要な技術やプロジェクトのてこ入れも図る。目標に適した小惑星の選定、小惑星を誘導するための強力な推進技術や有人宇宙船「オライオン」と打ち上げロケットなどの開発を進め、2025年までの小惑星有人探査という目標実現につなげる狙いだ。