大型低温重力波望遠鏡KAGRAで、7kmのトンネル掘削が完了
【2014年4月2日 国立天文台】
岐阜県の神岡鉱山に建設中の重力波検出望遠鏡「KAGRA」で、7kmにも及ぶ地下トンネルの掘削が完了した。
「KAGRA(かぐら)」は岐阜県神岡鉱山の地下で建設が進められてきた施設で、地表から200m以上の深さに片腕3kmを2本持つL字型のレーザー干渉計型重力波検出器を設置する。本体を格納するトンネル部の掘削が2012年5月から行われてきたが、今年3月末にその工事が完了した。誘導トンネルも含めると総延長7,697mとなる。
今後、実験設備の整備、装置の構築を経て、2015年末に試験運転、2017年度に重力波観測を開始する予定となっている。
KAGRAが検出を目指す重力波は、約100年前にアインシュタインの一般相対性理論から予測されたものだ。その存在は連星パルサーの長期観測によって間接的に証明され、また先月発表された研究成果(2014/03/18ニュース「宇宙背景マイクロ波輻射からのBモード偏光成分の検出」)でも示唆されている。直接検出された例はまだなく、KAGRAが世界初の観測成功を目指す。