クリスマスに現われた火星のオーロラ
【2015年3月20日 NASA】
2014年9月に火星に到着したNASAの探査機「メイブン」が、火星のオーロラを観測した。このオーロラは2014年12月20日ごろから数日間だけ紫外線でとらえられたもので、北半球全体に広がっていた。

    メイブンの紫外線分光器がとらえた火星のオーロラ(紫)。北半球全体に出現しているようすがわかる(提供:University of Colorado)
オーロラ出現時の観測から、この高エネルギー粒子は太陽由来のものとみられる。数十億年前に磁場を失った火星の大気には太陽からの粒子が直接ぶつかるため、ひじょうに高エネルギーの電子が大気深くまで入り込み、オーロラ発光を起こしているという。
またメイブンは、高度150~300kmに分布する謎の塵の雲も検出している。この塵は、火星上空の波動や電子密度を調べる装置(LPW)のみで継続的に観測されており、なぜ塵がこのような高高度に存在するのか、由来もその組成も不明とのことだ。
〈参照〉
- NASA: NASA Spacecraft Detects Aurora and Mysterious Dust Cloud around Mars
 - 46th Lunar and Planetary Science Conference: 論文
 
〈関連リンク〉
- NASA: http://www.nasa.gov/
 - アストロアーツ:
        
- 投稿画像ギャラリー: 2014年 火星
 - こだわり天文書評:
 - 太陽系ビジュアルブック 改訂版
 - 火星からのメッセージ
 - 「ローバー、火星を駆ける」
 - 「火星 赤い惑星の46億年史」
 - 「太陽系はここまでわかった」
 - 「惑星地質学」
 
 
〈関連ニュース〉
- 2014/09/22 - 探査機「メイブン」が火星到着 上層大気を調査
 - 他天体のオーロラ:
        
- 2015/03/13 - オーロラから探る、ガニメデの地下海
 - 2010/09/27 - 土星のオーロラが1日で変化するようす
 - 2007/03/14 - チャンドラとハッブルがとらえた木星のオーロラ
 
 
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