「Tomo-e Gozen」試験機ファーストライト 世界初の超広視野高速CMOSカメラ目指す

このエントリーをはてなブックマークに追加
東京大学 木曽観測所で2014年から開発が進められてきた次期超広視野CMOSカメラ「Tomo-e Gozen」の試験機が完成し、105cmシュミット望遠鏡へ搭載して試験観測が始まった。

【2015年12月1日 東京大学 木曽観測所

11月24日、東京大学木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡に、開発中の次期超広視野CMOSカメラ「Tomo-e Gozen」(トモエゴゼン、巴御前)が取り付けられた。試験観測でペルセウス座にある二重星団h-χをとらえ、見事にファーストライト(性能テストのための初観測)に成功した。

二重星団h-χをとらえたファーストライト画像
二重星団h-χをとらえたファーストライト画像。積分時間 5.0秒、視野 39.7×22.4′。8枚のセンサー中の中央の1枚で撮像、左と下の黒い部分はOB画素(遮光画素)(提供:東京大学 木曽観測所、以下同)

2014年から開発が進められているTomo-e Gozenカメラは、84枚の35mmフルHD CMOSイメージセンサーを用いて、シュミット望遠鏡の全視野である直径9度の視野をカバーすることを目指している。CMOSセンサーは現在天文観測で主流となっているCCDとは異なり、高速読み出しが可能なので、短時間で変動する現象もとらえることができる。Tomo-e Gozenが完成すれば、世界初の超広視野高速CMOSカメラとなる。

ファーストライトの成功の一方で様々な問題点も見つかった。開発チームではこれから1か月間の試験観測で問題点の修正やカメラの特性評価を行い、科学観測も実現させる予定としている。

Tomo-e試験機を囲んでの記念写真
Tomo-e試験機を囲んでの記念写真

〈参照〉

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉