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星ナビ機材セレクション

「ワイドビノ28」

アストロアーツオンラインショップ価格
16,200円(税込)

※2016年4月に全面的な改良が施され、価格も改定されました。

星ナビ 2007年10月号

レポート/川村 晶(本誌フォトライター)+星ナビ編集部

2007年10月1日

サイボーグ感覚の使用感

星像は、視野中央では文句なく充分なシャープさを有している。視野周辺6割程度から星像が放射状に伸び始めるが、視野周辺を眺めるときはその反対側に眼を寄せて、「斜め見」をするとシャープな像として楽しめる。

実際に比較的好条件の星空で試用してみたが、矯正視力0.9ほどの両眼で極限等級5等の空にて、7.7等の恒星まで認識することができた。かなりの極限等級アップだが、これはワイドビノ28の光学系が筆者のもともとの視力を矯正した上で、さらにワイドビノ28の集光力によって暗い星まで見えているからだろう。視界は、筆者の裸眼での光軸正視で実測したところ、実視界26度ほどだった。前述の「斜め見」でもう少し視界が広がる感じである。この実視界の広さは、ほかの光学系では体験できないものだ。主要な星座がほぼ視野いっぱいに広がり、さらに暗い星まで明瞭に見えてくるので、視力がアップした感覚になる。コントラストも充分だ。レンズ全面にマルチコートが施され、眼レンズの最後端の平面部分のつや消しを徹底することで、旧ワイドビノ28よりもコントラストを高めたという。

ちょっとした視力アップ用の観望グッズとして、良好な星空での利用はもちろんのこと、街中の比較的明るい夜空でも、肉眼以上に暗い恒星が余裕で確認できた。街中での星座巡りなどにも使いたいアイテムである。

ピント合わせ

ピント合わせは接眼部を回転させる独立単眼方式。回転はスムースである。接眼部の目当ての周囲には、ゴム製のリングが組み付けられている。

視野イメージ

視野環がないので、周辺はモヤっと暗くなって星が消える印象。ちょうどペルセウス座流星群の極大夜に試用したが、微光流星がたくさん見えた。昼間の風景では、わずかに視野が黄色く着色していることに気付くが星空では気にならない。

ブリッジ部分

倍率が2.3倍と低く、左右の光軸の平行度をそれほど厳密に調整する必要がないので、左右の鏡胴をつなぐブリッジも簡単な機構だ。ところで、このブリッジの後側の飾り環には、笠井トレーディングのシンボル(?)の“熊”が描かれている。

付属品

持ち運びに便利な長円形のハードレザーケースが付属する。

ワイドビノ28 の主な仕様
対物レンズ直径 40mm
倍率 2.3倍
実視野 28゚
最大寸法 123mm×43mm×50mm
重量 290g
合焦機構 IF
付属品 ハードレザーケース

※星ナビ掲載時の仕様です

(株)笠井トレーディング
TEL 03-5724-5791