星ナビ 2007年10月号
レポート/川村 晶(本誌フォトライター)+星ナビ編集部
2007年10月1日
サイボーグ感覚の使用感
星像は、視野中央では文句なく充分なシャープさを有している。視野周辺6割程度から星像が放射状に伸び始めるが、視野周辺を眺めるときはその反対側に眼を寄せて、「斜め見」をするとシャープな像として楽しめる。
実際に比較的好条件の星空で試用してみたが、矯正視力0.9ほどの両眼で極限等級5等の空にて、7.7等の恒星まで認識することができた。かなりの極限等級アップだが、これはワイドビノ28の光学系が筆者のもともとの視力を矯正した上で、さらにワイドビノ28の集光力によって暗い星まで見えているからだろう。視界は、筆者の裸眼での光軸正視で実測したところ、実視界26度ほどだった。前述の「斜め見」でもう少し視界が広がる感じである。この実視界の広さは、ほかの光学系では体験できないものだ。主要な星座がほぼ視野いっぱいに広がり、さらに暗い星まで明瞭に見えてくるので、視力がアップした感覚になる。コントラストも充分だ。レンズ全面にマルチコートが施され、眼レンズの最後端の平面部分のつや消しを徹底することで、旧ワイドビノ28よりもコントラストを高めたという。
ちょっとした視力アップ用の観望グッズとして、良好な星空での利用はもちろんのこと、街中の比較的明るい夜空でも、肉眼以上に暗い恒星が余裕で確認できた。街中での星座巡りなどにも使いたいアイテムである。
対物レンズ直径 | 40mm |
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倍率 | 2.3倍 |
実視野 | 28゚ |
最大寸法 | 123mm×43mm×50mm |
重量 | 290g |
合焦機構 | IF |
付属品 | ハードレザーケース |
※星ナビ掲載時の仕様です
TEL 03-5724-5791