8月10日からの約1週間は注目の天文現象が次々にやってくる。まず10日は伝統的七夕。織女星ベガと牽牛星アルタイル、夏の大三角や天の川を見上げよう。また、10日の20時から21時ごろには上弦に近い月がおとめ座のスピカを隠す現象が広範囲で見られる。今年の伝統的七夕はベガとアルタイルだけでなく、スピカも主役になるだろう。
続いて12日から13日にかけて、ペルセウス座流星群の活動が極大になる。月明かりの影響がほとんどなく深夜にピークを迎えるため、好条件で観察できる。流れ星は全天どの方向にも飛ぶので、なるべく視界が開けたところで、広い範囲を見わたそう。
最後にご紹介するのは、明け方の東の空に見える火星と木星の大接近。最接近の15日ごろには天体望遠鏡の同一視野内に入るほど近づく。最接近だけでなく前後の日も観察して、2惑星の並び方の変化を追うのが面白い。自由研究のテーマにも良いだろう。
このほか、さそり座やはくちょう座、土星なども見ものだ。この夏はオリンピックが楽しみという方も、星空にも目を向けていただきたい。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
5日 | ごろ | 金星とレグルスが大接近 |
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10日 | (土) | 伝統的七夕 |
10日 | (土) | スピカ食 |
12日 | (月) | ペルセウス座流星群が極大 |
15日 | ごろ | 火星と木星が大接近 |
18日 | (日) | はくちょう座κ流星群が極大 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
- 3日明け方:ポルックスと接近
- 4日:🌑新月
- 6日夕方:金星と接近
- 10日:スピカ食
- 13日:🌓上弦
- 14日夕方~深夜:アンタレスと接近
- 20日:🌕満月(スタージョンムーン)
- 21日未明~明け方:土星と並ぶ
- 21日宵~深夜:土星と並ぶ
- 25日深夜~26日明け方:プレアデス星団と接近
- 26日:🌗下弦
- 28日未明~明け方:火星と並ぶ
- 28日未明~明け方:木星と並ぶ
- 30日未明~明け方:ポルックスと接近
- 31日未明~明け方:プレセペ星団と並ぶ
水星
- 上旬:夕方 1.5等
- 中旬:見えない
- 下旬:見えない
- 4日:留
- 18日:内合
- 2日:留
金星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方 -3.9等
- 中旬:夕方 -3.9等
- 下旬:夕方 -3.9等
- 5日ごろ:レグルスと大接近
- 6日夕方:細い月と接近
火星
- 上旬:未明~明け方 0.9等
- 中旬:未明~明け方 0.8等
- 下旬:未明~明け方 0.8等
- 3日ごろ:ヒヤデス星団と接近
- 5日ごろ:アルデバランと接近
- 15日ごろ:木星と超大接近
- 27日ごろ:おうし座の超新星残骸M1かに星雲と大接近
- 28日未明~明け方:月と並ぶ
木星
- 上旬:未明~明け方 -2.1等
- 中旬:未明~明け方 -2.2等
- 下旬:深夜~明け方 -2.2等
- 15日ごろ:火星と超大接近
- 28日未明~明け方:月と並ぶ
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:宵~明け方 0.8等
- 中旬:宵~明け方 0.7等
- 下旬:宵~明け方 0.7等
- 21日未明~明け方:月と並ぶ
- 21日宵~深夜:月と並ぶ
天王星
- 上旬:未明~明け方 5.8等
- 中旬:深夜~明け方 5.7等
- 下旬:深夜~明け方 5.7等
- 15日:西矩(おうし座)
海王星
- 上旬:深夜~明け方 7.8等
- 中旬:宵~明け方 7.8等
- 下旬:宵~明け方 7.8等
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
オルバース彗星(13P)
- 上旬:夕方~宵 8等
- 中旬:夕方~宵 8等
- 下旬:夕方~宵 9等
- 1日ごろ:おおぐま座ν星アルラボレアリス(3.5等)と大接近
- 17日ごろ:かみのけ座の散開星団Mel 111と大接近
- 19日ごろ:かみのけ座の銀河NGC 4565針銀河と大接近
- 25日ごろ:かみのけ座の銀河M64黒眼銀河と大接近
- 31日ごろ:かみのけ座の球状星団M53と大接近
準惑星ケレス
- 上旬:夕方~未明 8等
- 中旬:夕方~未明 8等
- 下旬:夕方~深夜 8等
- 1日ごろ:いて座の球状星団M70と大接近
- 25日ごろ:いて座の球状星団M69と大接近
小惑星イリス(7)
- 上旬:夕方~明け方 8等
- 中旬:夕方~未明 8等
- 5日:衝(みずがめ座)
- 17日ごろ:みずがめ座ε星アルバリ(3.8等)と超大接近