天体観察イベントで人気の天体といえば月と土星。今月はこの2つが見ものだ。まず月は、17日に中秋の名月となる。翌日が満月なので17日の宵の月は少しだけ欠けているが、肉眼では真ん丸に見える。涼しい夜風に吹かれながらお月見を楽しもう。
当夜、この名月は土星と大接近している。お月見と一緒に土星も楽しめる、お得な夜というわけだ。土星は肉眼では光の点にしか見えないが、天体望遠鏡で観察すると環も見える。近年の環はとても細く、土星本体に刺さった串や棒のように見えるだろう。9日に衝を迎えた土星は、17日に限らず今後数か月にわたって見やすい時期が続く。名月の夜以外にも、土星を(もちろん、月も)観察しよう。
さて、予想では紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)が明るくなり、月末に明け方の東の低空に見えると期待されている。彗星は明るくなる前に崩壊してしまうという説もあり、推移から目が離せない。SNSなどの最新情報をチェックして、楽しみに待ちたい。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
5日 | (木) | 水星が西方最大離角 |
---|---|---|
5日 | (木) | 細い月と金星が大接近 |
9日 | (月) | 土星がみずがめ座で衝 |
10日 | ごろ | 水星とレグルスが大接近 |
17日 | (火) | 中秋の名月 |
17日 | (火) | 月と土星が大接近 |
18日 | ごろ | 金星とスピカが接近 |
21日 | (土) | 海王星がうお座で衝 |
30日 | ごろ | 紫金山・アトラス彗星が3等前後 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
水星
- 上旬:明け方 -0.2等
- 中旬:明け方 -1.1等
- 下旬:見えない
金星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方 -3.9等
- 中旬:夕方 -3.9等
- 下旬:夕方 -3.9等
火星
- 上旬:未明~明け方 0.7等
- 中旬:深夜~明け方 0.6等
- 下旬:深夜~明け方 0.6等
- 9日ごろ:ふたご座の散開星団M35と大接近
- 11日ごろ:ふたご座η星プロプス(3.3等)と大接近
- 15日ごろ:ふたご座μ星テジャト(2.9等)と大接近
- 23日ごろ:ふたご座ε星メブスタ(3.1等)と大接近
- 26日未明~明け方:月と接近
木星(▶ 特集ページ)
- 上旬:深夜~明け方 -2.3等
- 中旬:深夜~明け方 -2.4等
- 下旬:深夜~明け方 -2.4等
- 10日:西矩(おうし座)
- 23日深夜~24日明け方:月と並ぶ
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~明け方 0.6等
- 中旬:夕方~明け方 0.6等
- 下旬:夕方~未明 0.6等
天王星
- 上旬:深夜~明け方 5.7等
- 中旬:宵~明け方 5.7等
- 下旬:宵~明け方 5.7等
- 2日:留
海王星
- 上旬:宵~明け方 7.8等
- 中旬:宵~明け方 7.8等
- 下旬:宵~未明 7.8等
- 21日:衝(うお座)
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)(▶ 特集ページ)
- 下旬:明け方 3等
- 28日:近日点を通過
オルバース彗星(13P)
- 上旬:夕方~宵 8等
- 中旬:夕方~宵 9等
- 中旬:夕方~宵 9等