紫金山・アトラス彗星が夕空で、肉眼で見える明るさになりそうだ。マイナス等級の「大彗星」には届かないまでも(※)、秋の澄んだ空であれば見たり撮ったりするのは難しくないだろう。位置の確認や構図のチェック、撮影、画像処理にはステラシリーズを活用して、美しい姿をしっかりと記憶、記録したい。
※結果的には前方散乱効果により、10月10日前後にマイナス5等級まで達した。
宵空では先月衝を迎えた土星が引き続き見ごろ。また、21時ごろには木星も昇り、徐々に観察しやすくなってくる。近年では本体だけでなく衛星の観察や撮影も熱心に行われている。今シーズンは1つでも多くの観測に挑戦してみてはいかがだろうか。
長かった残暑から一転して、日の入り後には寒さを感じることが増えてくる。彗星ウォッチング、惑星観察、星座巡りや観月は、暖かくしてお楽しみください。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
10月 | 紫金山・アトラス彗星が4等前後 | |
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3日 | (木) | 金環日食(南太平洋、チリ、アルゼンチン) |
8日 | (火) | 10月りゅう座流星群が極大 |
14日 | (月) | 月と土星が接近 |
17日 | (木) | スーパームーン |
21日 | (月) | オリオン座流星群が極大 |
23日 | (水) | 月と火星が接近 |
26日 | ごろ | 金星とアンタレスが接近 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
- 3日:🌑新月
- 3日:金環日食(南太平洋、チリ、アルゼンチン)
- 5日夕方:金星と並ぶ
- 6日夕方:金星とやや離れて並ぶ
- 7日夕方~宵:アンタレスと並ぶ
- 8日夕方~宵:アンタレスと並ぶ
- 11日:🌓上弦
- 14日夕方~15日未明:土星と接近
- 15日:後の月
- 17日:🌕満月(ハンターズムーン/スーパームーン)
- 19日宵~20日明け方:プレアデス星団と大接近
- 21日宵~深夜:木星と並ぶ
- 23日深夜~24日明け方:火星と接近
- 23日深夜~24日明け方:ポルックスと大接近
- 24日:🌗下弦
- 25日未明~明け方:プレセペ星団と接近
- 27日未明~明け方:レグルスと接近
水星
- 上旬:見えない
- 中旬:見えない
- 下旬:見えない
金星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方 -4.0等
- 中旬:夕方~宵 -4.0等
- 下旬:夕方~宵 -4.0等
- 5日夕方:細い月と並ぶ
- 6日夕方:細い月とやや離れて並ぶ
- 20日ごろ:さそり座δ星ジュバ(2.3等)と大接近
- 26日ごろ:アンタレスと接近
火星(▶ 特集ページ)
- 上旬:深夜~明け方 0.5等
- 中旬:深夜~明け方 0.3等
- 下旬:深夜~明け方 0.2等
- 20日ごろ:ポルックスと並ぶ
- 22日:西矩(ふたご座)
- 23日深夜~24日明け方:月と接近
木星(▶ 特集ページ)
- 上旬:宵~明け方 -2.5等
- 中旬:宵~明け方 -2.6等
- 下旬:宵~明け方 -2.6等
- 9日:留
- 9日ごろ:おうし座の超新星残骸M1かに星雲と接近
- 21日宵~深夜:月と並ぶ
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~未明 0.7等
- 中旬:夕方~未明 0.7等
- 下旬:夕方~未明 0.8等
- 14日夕方~15日未明:月と接近
天王星
- 上旬:宵~明け方 5.6等
- 中旬:宵~明け方 5.6等
- 下旬:宵~明け方 5.6等
海王星
- 上旬:夕方~未明 7.8等
- 中旬:夕方~未明 7.8等
- 下旬:夕方~未明 7.8等
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)(▶ 特集ページ)
- 上旬:明け方 2等
- 中旬:夕方~宵 2等
- 下旬:夕方~宵 5等
- 13日:地球に最接近
- 15日ごろ:オルバース彗星と大接近
- 16日ごろ:へび座の球状星団M5と大接近
- 20日ごろ:へびつかい座λ星マルフィク(3.8等)と超大接近
- 21日ごろ:へびつかい座の球状星団M12と接近
- 29日ごろ:へびつかい座β星ケバルライ(2.8等)と大接近
- 29日ごろ:へびつかい座γ星(3.8等)と大接近
- 29日ごろ:へびつかい座の散開星団IC 4665と接近
オルバース彗星(13P)
- 上旬:夕方~宵 9等
- 中旬:夕方~宵 10等
- 中旬:夕方~宵 10等
- 15日ごろ:紫金山・アトラス彗星と大接近
小惑星ベスタ(4)
- 上旬:明け方 8等
- 中旬:未明~明け方 8等
- 下旬:未明~明け方 8等