大迫力!パーサビアランスの火星着陸動画
2月19日(日本時間、以下同)に火星に着陸したばかりのNASAの探査車「パーサビアランス」は、本格的な運用を前に機器の動作チェックなどを行っている段階だ。だが早くも、私たちに火星にいるかのような臨場感を与えてくれる映像や音声が届いている。特に赤い大地に降り立つまでの過程を収めた動画は迫力満点だ。
「どうやって火星に着陸するのか知りたい皆さん。あるいはなぜ着陸がとても難しいのか、そしてどれだけ格好いいのか知りたい皆さん。これさえ見れば全ては事足りるでしょう」(NASA長官 Steve Jurczykさん)。
公開された3分25秒の動画は、パーサビアランスに搭載されていた複数のカメラが火星大気圏突入の約230秒後から撮影したものだ。直径21.5mのパラシュートが高度11kmで展開され、パラシュートの格納部分に収まっていたカメラの視界が開けるところからスタートする。
やがて熱シールドが分離されて、パラシュートからぶら下がって揺れるパーサビアランスの真下に着陸地点の地形が見え始める。続いてジェットの逆噴射で機体を減速させる降下ステージが作動して、パラシュートが切り離される。そこから約80秒間、2kmほど下降して地面に近づくと、小石や砂が舞い上がる。ここでスカイクレーンとも呼ばれる降下ステージは探査車本体をケーブルで吊り下げ、パーサビアランスのアルミ製車輪を時速2.6kmでゆっくりと接地させる。
降下ステージと探査車をつないでいたケーブルは切断され、降下ステージは一気に上昇して着陸地点から飛び去る。最後に、タッチダウンを確認した管制センターに喜びの声が上がったシーンを挿入して動画は終了する。
着陸したパーサビアランスの姿は、降下中に切り離した耐熱シールド、パラシュート、降下ステージとともに、NASAの火星探査機マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)が軌道上からとらえている。
パーサビアランスにはマイクも搭載されている。下降時の音を拾うことはできなかったが、着陸したジェゼロ・クレーターで火星の音を記録しており、これも早速公開されている(NASAリリース参照)。録音時間は約1分で、探査車の機械的な動作音が聞こえる中、10秒あたりから火星に吹くそよ風がとらえられている。
また、パーサビアランスのマストについている1組のナビゲーションカメラ「Mastcam-Z」によるジェゼロ・クレーターの高解像度360度パノラマ初画像も公開された。
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