準天頂衛星「みちびき」初号機後継機、打ち上げ成功

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位置情報計算に使われる準天頂衛星システム「みちびき」の初号機を置き換える後継機を載せて、H-IIAロケット44号機が10月26日に種子島宇宙センターから打ち上げられた。

【2021年10月26日 三菱重工業株式会社みちびきニュース

10月26日11時19分37秒、準天頂衛星システム「みちびき」の初号機後継機を搭載したH-IIAロケット44号機が、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。天候の影響により当初予定の25日から1日延期しての打ち上げとなった。

衛星は打ち上げから約28分後、高度266kmの軌道上で正常に分離された。H-IIAロケットとして38機連続での打ち上げ成功となる。

打ち上げ
準天頂衛星「みちびき」初号機後継機の打ち上げ(提供:ライブ中継動画より)

準天頂衛星システム「みちびき」は米国のGPS(Global Positioning Satellite)と同じように、衛星からの電波によって位置情報を計算するシステムだ。「みちびき」はGPSと互換性があり、GPS衛星からの電波がじゅうぶんに受信できない状況下でこれを補うことができる。2010年に初号機が打ち上げられた後、2017年に3機追加され、2018年に4機体制での運用が始まった。日本付近から常時3機の衛星が見えるような軌道を通っているため、安定した測位と高い精度を実現する。

今回打ち上げられた初号機後継機は、文字通り2010年に打ち上げられた初号機を継ぐ衛星だが、設計のベースは2017年に打ち上げられた2号機と4号機となっている。他の衛星同様、日本の真上を通る軌道を飛び、3つのアンテナから測位のための信号を送信する。

地球上での位置を3次元で把握するには、4つの衛星からの電波を受信する必要があることから、2023年までにさらに3機の衛星を打ち上げ、日本から常時4機が見える7機体制での運用が計画されている。これにより「みちびき」だけで測位ができるようになり、利便性が高まると期待される。

H-IIAロケット44号機打ち上げライブ中継(録画)(提供:Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.)