H-IIAロケット打ち上げ成功、火星探査機HOPE搭載
【2020年7月20日 三菱重工株式会社】
7月20日6時58分14秒に、アラブ首長国連邦(UAE)宇宙庁の火星探査機「HOPE」を搭載したH-IIAロケット42号機が、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。ロケットは計画通り飛行し、打ち上げから約57分後にHOPEの分離が確認された。
HOPEは、UAE建国50周年となる2021年に中東初となるの無人探査機の火星到着を目指す「エミレーツ・マーズ・ミッション(EMM:Emirates Mars Mission)」の探査機である。アブダビやドバイなど7首長国によるUAE連邦政府が2014年7月に設立した「UAE宇宙庁(UAE Space Agency)」がミッションを統括し、ドバイの政府宇宙機関であるムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC:Mohammed Bin Rashid Space Centre)がHOPEの設計など技術面を取りまとめている。
「中東で初の惑星ミッションであるEMMの打ち上げ成功はUAEの歴史において大変重要な出来事です。本ミッションは野心的なミッションを達成するUAEの能力を証明するものです。UAEはプロジェクト開始から6年という短期間で火星ミッションの打ち上げを成功させた、世界で最も若い国となりました。HOPEの成功は、UAEが挑戦的な宇宙プログラムを進めるにあたり非常に大きな飛躍となります」(UAE中小企業担当大臣兼UAE宇宙庁総裁 Ahmad Belhoul Al Falasiさん)。
「EMM、HOPEの打ち上げ成功は、EMMに関わった全員が力を合わせ、絶えず努力をした結果です。私たちはともに複数の課題を乗り越え、創意工夫と真摯な取り組みを通して、この目標を予定通りに達成しました。このミッションは、科学探査と知識共有を通して人類の未来へ貢献するというUAEのコミットメントを表すものです。宇宙、教育、科学やテクノロジー分野発展の加速を目指して火星に到達するとき、中東で初の惑星ミッションは中東にとって新しい時代の象徴となります」(MBRSC総裁 Hamad Obaid Almansooriさん)。
「今回の打ち上げ輸送サービス契約を締結した2016年3月以来4年超にわたる、UAE宇宙庁、MBRSCの継続的なご協力ならびにその間関係くださった皆様からのご支援に大変感謝しています。H-IIAによるUAE政府ミッションの打ち上げは、2018年に打ち上げた観測衛星『ハリーファサット』に続き2件目です。今回の火星探査機であるHOPEは、UAE建国50周年を迎える2021年の火星到着を目指す記念すべきミッションであり、計画通り本日打ち上げ、無事成功させることができたことに安堵しています」(三菱重工株式会社 防衛・宇宙セグメント長 阿部直彦さん)。
今回の打ち上げで、日本のH-IIAとH-IIBロケットの打ち上げは計45回の連続成功となり、打ち上げ成功率は98.0%に達した。
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