4年ぶりの増光を始めた矮新星ペルセウス座GK
【2022年12月26日 高橋進さん】
ペルセウス座GK(GK Per)は1901年に0.2等にまで明るくなった新星です。1950年代からは数年ごとに平常光度の13等からおよそ10等まで増光する、矮新星としての変光を見せるようになりました。
ところが今回、2018年9月に明るくなった後はずっと静穏期が続いていました。期間中に何度か12等台の半ばにまで明るくなったことはありましたが、すぐにまた減光してしまい、本格的な増光には至りませんでした。こうして増光のない期間は4年以上にも及びましたが、これほど長期間にわたって増光が見られなかったのは1975年2月から1981年3月まで(6年1か月)以来で、なんと41年ぶりの長い静穏期という事になります。
今年12月中旬ごろから、長野県の大西拓一郎さん、長崎県の森山雅行さん、神奈川県の堀江恒男さんらから12等台の明るめの観測報告が立て続けにありました。さらに12月20日に長崎県の前田豊さんから11.9等の報告があり、ペルセウス座GKの増光が始まったらしいことが確実になりました。
通常の矮新星だと1日くらいで極大になり、その後は数日から1週間程度で元の等級に戻ってしまうのですが、ペルセウス座GK星はゆっくりじわじわと明るくなり、1か月くらいかけて極大になり、また1か月あまりかけてゆっくりと減光していきます。今回もこのまま順調にいけば、来年1月末くらいに約10等の極大を迎えることが期待されます。今後の光度変化がとても興味深いところです。ぜひ観察してみてください。
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