星座八十八夜 #21 半分だけ魚になったヤギ「やぎ座」

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上半身がヤギ、下半身が魚という不思議な姿をした星座です。バビロニアで生まれたこの姿を説明するために、古代ギリシアでは牧神パーンが変身したという神話が考案されました。

【2023年9月13日 アストロアーツ

星座八十八夜

「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)

見どころ

〈やぎ座〉は秋の星座の中では西寄りにあるので、夜遅い時刻や秋の終わりごろになると、もうだいぶ西の地平線にかたむいてしまいます。観察するには、秋の初めごろの方がよいでしょう。たとえば9月の21時ごろだと、〈やぎ座〉は南の真正面に上っています。3等星から5等星の暗い星が並んでいる星座で、あまり高く上らない星座なのですが、このあたりの星座にはもともと明るい星がなく、その中では逆三角形をした星の並びが目立つので、わりと探しやすい星座です。

やぎ座

星座の起源

古代バビロニアですでに、このような半ヤギ半魚の星座が設定されていたと考えられています。〈みずがめ座〉や〈うお座〉〈みなみのうお座〉など、水に関係する星座の起源は、太陽の位置と雨期に関係があるといわれています。実際バビロニアの時代には〈やぎ座〉に太陽がある時期が雨期で、ユーフラテス川が氾濫する季節でもあったようです。それでヤギの下半身が魚になったのでしょう。

「やぎ座」は「黄道十二星座」の一つで、12月22日~1月19日生まれの人の誕生星座です。

星座の物語

ギリシア神話では、この星座のヤギは、アルカディアの森と牧畜の神パーンの化身で、もともと上半身は人間、下半身はヤギという不思議な姿をしていました。

ある日、神さまたちがエジプトで宴会をしているときに、恐ろしい怪獣テュポーンに襲われました。パーンはあわててナイル川に逃げ込みました。ところが、あまりにもあわてて飛びこんだせいか、上半身がヤギで下半身が魚という姿になってしまったのです。宴会のハプニングの記念に大神ゼウスがこの姿を天に上げて星座にしたといいます。

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