量子力学的スケールで絶えず変動する宇宙と加速膨張との関係性

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量子力学的スケールで見ると宇宙は絶えず変動する時空から成り立っており、総合すると宇宙の加速膨張を引き起こしているという研究成果が発表された。

【2017年5月18日 UBC News

1998年、宇宙が加速膨張していることが発見された。その原因として、宇宙は膨張を加速させるようなダークエネルギーで満たされているという説が考えられている。ダークエネルギーの正体は不明だが、最も自然と考えられるダークエネルギーの候補は真空エネルギーである。

量子力学の理論を真空エネルギーに適用すると、驚くほど高密度のエネルギーが存在すると予測され、その量は宇宙に存在する粒子の全エネルギーよりもはるかに大きいという。もしそれが本当なら、一般相対性理論と合わせて考えると真空エネルギーによって宇宙は爆発してしまうことになる。

幸いにして爆発は起こっておらず、宇宙はとてもゆっくりと膨張している。とはいえ、量子力学と一般相対性理論の間にある非互換性問題は解決しておくべきだ。

従来は問題解決のために量子力学や一般相対性理論を修正するというアプローチがなされてきたが、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学のQingdi Wangさんたちはこれまでの計算に欠けていた真空エネルギーに関する重要な情報を見つけ、別の説を提案した。

その説によれば、量子力学的なスケールで見ると宇宙は絶えず膨張と収縮の間で揺れ動き、激しく変動しているという。両者の効果はほぼ打ち消し合うが、膨張するほうがわずかに大きいために宇宙はゆっくりと加速膨張するというのだ。

時空が変動していることを私たちが知覚できないのはなぜだろうか。「その変動が、電子の大きさの数十億分1の数十億分の1くらいの、とても小さなスケールで起こっているからです」(Wangさん)。

NGC 3081
宇宙が加速膨張していることは、遠方の銀河までの距離と後退速度の観測からわかった。画像はうみへび座の銀河NGC 3081(この銀河までの距離は8600万光年と「ごく近い」)(提供:ESA/Hubble & NASA, Acknowledgement: R. Buta (University of Alabama))

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