AstroArts Topics

恒星・銀河

宇宙ニュートリノ多重事象の可視光追観測で爆発的天体仮説に強い制限

2025/10/30
南極点で実施されているIceCube実験が検出したニュートリノ多重事象に対し、初めて同時刻・同方向の広視野可視光線観測データが解析された。事象の起源となり得る爆発的天体の明るさなどに強い制限を与える結果が得られている。

クロックバースターの異常に短いX線バースト周期

2025/10/29
X線衛星「ニンジャサット」の観測により、クロックバースターと呼ばれるタイプの天体で短い周期のX線バーストが検出された。従来の理論では説明できず、これまで考慮されてこなかった効果があることが示唆される。

地上と宇宙の望遠鏡が共同、赤色矮星を周回する褐色矮星を発見

2025/10/28
すばる望遠鏡とケック望遠鏡、天文衛星「ガイア」による観測から、赤色矮星を回る褐色矮星が見つかった。明るさに変動が見られ、天候の変化が起こっている可能性がある。

隕石の分析で明らかにされた星間粒子の歴史

2025/10/24
コンドライト隕石に残存する星間粒子中のヘリウム原子の3次元分布が、世界初の装置で分析された。個々の星間粒子が誕生した時期や存在した環境の情報が含まれている。

M84銀河中心から噴き出すジェットは早い段階で細さを失う

2025/10/21
M84銀河の中心にある大質量ブラックホールから噴き出すジェットが、ブラックホール近傍から円錐状に広がっていることが明らかになった。他の銀河のジェットに比べて、はるかに近い領域で細い形状を失っている。

重力レンズ像の「くびれ」から見つかった、謎のダーク天体

2025/10/14
「アインシュタインリング」と呼ばれる円形の重力レンズ像の乱れから、手前にある謎の「見えない天体」が見つかった。太陽の約100万倍の質量をもつが、正体は不明だ。

鮮明にとらえられた、惑星を作る渦巻きのダイナミックな動き

2025/10/02
アルマ望遠鏡の7年間の観測データから、惑星の誕生現場である原始惑星系円盤の渦巻きのダイナミックな運動が世界で初めて検出された。この円盤は惑星誕生の直前状態にあるようだ。

宇宙最遠方の「死にゆく巨大銀河」で輝く大質量ブラックホール

2025/09/26
すばる望遠鏡が発見したクエーサーをJWSTで追観測し、クエーサーの親銀河が大質量に成長しつつ星形成を終えかけていることが明らかにされた。初期宇宙における銀河とブラックホールの成長の歴史を解き明かす手がかりとなる。

塵のベールに隠された、宇宙の夜明け時代のクエーサー

2025/09/17
すばる望遠鏡が発見した非常に明るい遠方銀河をJWSTで追観測したところ、塵に覆われて見えていなかったクエーサーが見つかった。宇宙の夜明け時代には従来の予想以上に明るいクエーサーがあるようだ。

黒点を横切る惑星が伝える、傾いた惑星系の姿

2025/09/16
系外惑星が恒星の黒点の手前を通過する様子を観測した研究から、黒点の温度や大きさ、惑星系の軌道の傾きなどが調べられた。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

高密度星団形成領域における星形成活動の全貌

2025/09/11
地球に最も近い高密度星団形成領域「へびつかい座A領域」をアルマ望遠鏡とJWSTで観測した高解像度データから、複数の惑星質量天体や原始星のアウトフローなどが見つかり、この領域における星形成活動の全貌が明らかになった。

超新星残骸から「星の死に際の瞬間」の情報が得られた

2025/09/05
超新星残骸「カシオペヤ座A」のX線観測データから、超新星爆発直前に星の内部構造が破壊されていた証拠が得られた。

重力波イベントの最新カタログ「GWTC」第4版がリリース

2025/09/03
LIGOなどの重力波望遠鏡でこれまでに検出された重力波イベントの最新カタログが発表された。219件の現象が収録されている。

原始惑星系円盤のすき間を公転する系外惑星を発見

2025/08/29
太陽に似た若い恒星を取り巻く原始惑星系円盤に複数のリングやすき間構造ができ、そのすき間の中を惑星が公転している様子が初めて撮影された。

若い大質量星を成長させる巨大ガス流の「へその緒」

2025/08/28
アルマ望遠鏡の観測で、重い原始星を取り巻く分子雲から「ストリーマー」というガス流が原始星のすぐそばまで伸び、星の材料物質を運ぶ様子がとらえられた。

爆発直前に「骨」までむき出しになった超新星

2025/08/27
超新星爆発の分光観測から、爆発直前の大質量星でケイ素・硫黄からなる深い中心核が露出していたことがわかった。恒星内部で重元素が玉ねぎ状の層になるという理論を裏付けるものだ。

赤色矮星2個と褐色矮星2個からなる四重連星系を発見

2025/08/26
位置天文衛星「ガイア」の観測データから、2個の赤色矮星と2個の褐色矮星からなる四重連星系が発見された。褐色矮星の基準星として今後の研究に役立つと期待される。

新種の超新星残骸か、XRISMが明かしたW49Bの3次元構造

2025/08/19
日本のX線分光撮像衛星「XRISM」によって、特異な形をした超新星残骸「W49B」が双極状に物質が広がる構造を持つことが示された。この天体は新種の超新星残骸かもしれない。

「宇宙ぶどう」が破った銀河誕生の常識

2025/08/18
JWSTとアルマ望遠鏡によって、宇宙誕生から9億年後の宇宙初期に存在した銀河が高解像で観測された。内部に見つかった、ぶどうの房のような粒々とした構造は、これまでの観測や数値シミュレーションでは予想されていなかったものだ。

ブラックホールX線連星のスペクトル変化をXRISMで観測

2025/08/14
X線衛星XRISMが、活動期の終わり際の状態にあったブラックホールと恒星の連星系を観測した。スペクトルやその変化から、ブラックホール周囲のガスの分布や運動の様子が明らかになった。