AstroArts Topics

恒星・銀河

中性子星合体から1秒間の変化を高精度シミュレーション

2023/07/14
中性子星同士の合体を、合体後1秒間という過去最長にわたって計算するシミュレーションが行われた。重力波と電磁波の同時観測に加え、理論モデルを確立することで、合体の過程についての理解が深まりそうだ。

塵の塊が衝突するだけでは惑星の種にならない

2023/07/13
数値シミュレーションにより、固体微粒子が一定以上集まった塊同士は衝突しても跳ね返ってしまい、合体しにくいことがわかった。惑星の種となる微惑星の形成シナリオに重要な示唆を与える発見だ。

昔ながらの環境が残る星団の「人口調査」

2023/07/12
天の川銀河の外縁部にあり、元素の組成が100億年前の宇宙に近い大星団で「星の人口調査」が行われた。太陽系近傍の星形成領域と比べると重い星の割合がやや高い一方、太陽より軽い星も多かった。

電波観測装置と量子コンピューターに共通する部品の超小型化を実証

2023/07/11
国立天文台の研究チームが、信号の逆流を防ぐ部品である「アイソレータ」の超小型化を実現する技術の実証に成功した。この技術は電波観測装置に加え、量子コンピューターへの応用も期待される。

生まれたての星をくるむ、3枚重ねのパンケーキ状構造

2023/07/10
生まれて間もない原始星系の円盤をアルマ望遠鏡で観測した結果、3層からなるパンケーキのような構造や、円盤から中心星へ物質を供給する役割を果たす渦巻構造の腕らしきものが見つかった。

棒渦巻銀河の棒は、星形成を抑制する

2023/07/07
棒渦巻銀河の中心を貫く棒の部分では、星の材料が存在するにもかかわらず、渦巻き部分に比べて星が生まれにくい。棒構造に由来するガスの激しい運動が、星形成活動を抑制しているらしい。

「宇宙の灯台」を乱す低周波重力波の証拠

2023/07/05
複数のミリ秒パルサーの長期精密観測から、数年に1度の周期でしか振動しない低周波数の重力波が宇宙のあらゆる方向から飛来している有力な証拠が得られた。

129億年前の初期宇宙でクエーサーの親銀河を検出

2023/07/04
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、ビッグバンからわずか10億年未満の初期宇宙でクエーサーの親銀河の光を検出した。観測結果によると、銀河と中心ブラックホールの関係は近傍宇宙と初期宇宙で大きく変わらないようだ。

宇宙望遠鏡「ユークリッド」、打ち上げ成功

2023/07/03
広域にわたる宇宙の立体地図を作ることで、暗黒エネルギーや暗黒物質などの謎に迫る宇宙望遠鏡「ユークリッド」が、7月2日に打ち上げられた。

惑星が誕生するタイミングをとらえる

2023/06/30
アルマ望遠鏡の観測で、誕生から1~10万年しか経ってない原始星の周囲では惑星形成の兆候が乏しいことが明らかになった。惑星系の形成は中心星の誕生後約10~100万年で急激に進むことを示している。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

X線天文画像を鮮明にする新手法

2023/06/29
X線望遠鏡が撮影した画像を解析し、再合成する新しい手法が開発された。この手法を天文衛星「チャンドラ」が撮影した超新星残骸カシオペヤ座Aの画像に適用し、鮮明化に成功した。

生まれたての太陽系を超新星爆発から守った盾

2023/06/26
太陽系の形成中に、付近で超新星爆発が起こったことがわかっている。濃い星間ガスがひも状に集まった「分子雲フィラメント」が、爆発の衝撃波から太陽系を守る盾になったかもしれない。

重い星は軽い種からできる

2023/06/22
大質量星の誕生が予測される領域で見つかった「星の種」の99%以上は、星形成に必要な質量が不足していた。種は星より重いという従来のモデルに反し、大質量星の種はさらにガスを集めて成長するようだ。

銀河団の衝突で解放される莫大なエネルギー

2023/06/21
衝突を始めたばかりの銀河団をX線と電波で観測した結果、巨大な衝撃波で莫大なエネルギーが解放され、そのエネルギーが粒子の加速や磁場の増幅に使われている様子がとらえられた。

宇宙再電離の現場を初めて直接観測

2023/06/15
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、約129億年前の宇宙で若い星形成銀河が周囲の銀河間ガスを電離している様子を観測した。銀河が宇宙再電離を引き起こしている現場が初めてとらえられた。

プラズマの放射冷却で探るM87ジェットの磁場強度

2023/06/12
日韓合同VLBI観測網が、銀河M87の中心にある超大質量ブラックホールが発するジェットを複数の周波数帯で観測し、ジェット中の磁場強度の推定に成功した。

宇宙初代の巨大質量星の明確な痕跡を発見

2023/06/08
すばる望遠鏡などによる観測で、宇宙で最初に生まれた星々の中に太陽140個分以上の質量を持つ巨大な星が存在していた証拠が得られた。ビッグバン後の初期宇宙における星の誕生を理解する上で重要な成果だ。

星屑の再利用で成長し続ける太古の巨大銀河

2023/06/06
110億年前の巨大銀河が、死んだ星が残したガスを再利用することで新たな星を形成していることが、すばる望遠鏡とケック望遠鏡の観測で判明した。

大きな赤ちゃん星の温かさが届く範囲は10光年程度

2023/06/01
大質量原始星周辺の温度分布が初めて明らかにされ、このような星が周囲の星間ガス雲へ及ぼす影響が普遍的に10光年程度であることなどが示された。

世界最高解像度の気球望遠鏡が宇宙ガンマ線を観測

2023/05/31
宇宙ガンマ線の精密観測を目指す「GRAINE計画」で、気球に搭載された世界最高解像度のエマルションガンマ線望遠鏡が観測を実施した。飛翔中に検出されたガンマ線のデータ解析の結果が期待される。