「はやぶさ」タッチダウン、25日以降に再チャレンジ
【2005年11月21日 アストロアーツ】
11月19日から、20日の早朝にかけて、「はやぶさ」の第1回イトカワ着陸と試料採取実験が行われた。イトカワへの着陸はできなかった可能性が高いものの、ターゲットマーカーの投下には成功し、88万人の名前は無事小惑星へ届けられた。現在「はやぶさ」は、イトカワからおよそ100キロメートルの距離にいるが、再び接近し25日以降にタッチダウンへ再挑戦する予定だ。
「はやぶさ」のタッチダウン(着陸・試料採取)に向けた降下は、19日午後9時頃から開始された。そして、20日午前5時半ごろ、イトカワから約40メートルの距離まで接近した。その後、午前5時46分頃、無事「ターゲットマーカーを投下した」との信号が受信された。その際の高度は約40メートルで、ターゲットマーカーがイトカワ表面に到達したことは確実のようだ。
しかし、イトカワへの距離10メートル付近で「はやぶさ」は高度データが変化しなくなり、長くイトカワ表面近くに留まった。このため、イトカワからの放射で、機体の一部が100度近くまで熱せられた。「はやぶさ」管制チームは、加熱による悪影響の懸念から、地上からの上昇の指令が出した。「はやぶさ」自身も自動制御装置が危険を察知し、上昇を始め、第一回目のタッチダウントライアルは、残り約10メートルの距離を残して中止となった。
緊急退避によって、「はやぶさ」は一気にイトカワから100キロほど離れたため、この距離を再び詰めていくには数日かかるようだ。「はやぶさ」管制チームは、着陸できなかった原因や高温による影響を調査し、25日以降再度着陸に挑む。