探査機ロゼッタがチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着

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【2014年8月6日 ヨーロッパ宇宙機関

打ち上げから10年の時を経て、欧州の探査機「ロゼッタ」が探査目標のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着した。太陽最接近に向けて活発になっていく彗星の姿を、これから1年にわたって間近から伝えてくれる。


8月3日のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

8月3日に撮影されたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。クリックで拡大(提供:ESA/Rosetta/MPS for OSIRIS Team MPS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA)

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の位置

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は現在いて座方向約4億km彼方にある。明るさは20等級で手軽には見られないが、いて座を眺めながらロゼッタの探査を応援しよう。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

2004年3月にギアナ宇宙センターから打ち上げられたヨーロッパの探査機「ロゼッタ」が、探査目標であるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)に到着した。

8月6日18時0分(日本時間)にロゼッタは6分26秒のエンジン噴射を開始し、噴射終了のシグナルが予定どおり18時28分に地上に届いた。幅約5kmの彗星とのランデブー軌道への移行に成功したとみられ、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の公式ツイッターでは18時30分に「ロゼッタは彗星に到着。軌道に入りました!」と投稿されている。ロゼッタはこれから10月にかけて軌道を細かく修正しながら、じょじょに彗星に接近していく。

日本の「すいせい」「さきがけ」を含む1986年のハレー彗星各国探査、NASAの「スターダスト」や「ディープインパクト」による彗星探査はすべてフライバイ(接近通過)観測だったが、彗星を追跡しながらの探査は史上初めてのことだ。

ロゼッタは、2015年8月の近日点通過まで活発化していく彗星の活動のようすを、すぐそばからつぶさに観測する。今年11月には子機「フィラエ」を彗星の表面に投下して、初の彗星着陸探査も行う予定だ。


チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の位置と軌道

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、彗星の設定日時における位置を表示することができます。