チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星、1秒にコップ2杯の水を放出
【2014年7月1日 ヨーロッパ宇宙機関】
欧州の探査機「ロゼッタ」が、目標天体チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星から水が放出されるようすを初めてとらえた。
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機「ロゼッタ」が6月6日、目標天体チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)からの水の放出を初めて検出した。彗星核から噴き出す水は1秒につきおよそ300ml(コップ2杯分)と測定されている。彗星はこのときまだ太陽から5億8000万km以上離れた位置(木星軌道と火星軌道の間)にあり、これほど早い段階で水の放出がみられたのは意外だと研究者らは話している。
ロゼッタに搭載されたマイクロ波観測装置(MIRO)では、水のほか一酸化炭素、メタノール、アンモニアといった彗星の主な揮発成分を検出し、それぞれの量を計測する。探査機は今年8月に彗星に到着し、彗星が太陽に最接近する来年まで間近で観測を行う。その間、活発化していく彗星核の性質や活動のプロセスを詳しく調査する予定だ。
電子書籍で読む「最新・彗星学」
天文学者が解説する最新の彗星像
探査機「ロゼッタ」の位置と航路
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、「ロゼッタ」など主な探査機の設定日時における位置や航路を表示することができます。