星ナビ 2008年9月号
レポート/川村 晶+星ナビ編集部
2008年10月20日
主鏡の厚みは40mmほどで、主鏡の直径に対して極端に薄いというわけではない。素材についてはメーカーから公表されていないが、比較的無色であることからいわゆる青板ガラスではないようだ。
斜鏡は、実測で短径70mmで、45度の傾きで切断された直径38mmのアルミ棒に接着されている。斜鏡支持金具はいわゆるベーンタイプで、厚さ0.6mmほどの4本のスパイダーが採用されている。斜鏡の軸調整装置は、中央の引きネジと周囲に3本の押しネジを配した一般的な構造だ。
鏡筒の最大のギミックである伸縮機構だが、スライドパイプは直径25mmのアルミ製のもので、接眼部側鏡筒部の主鏡側のリングに直接固定されている。かなり肉厚なパイプで、簡単には曲げることはできないほどだ。主鏡側鏡筒部側のスライドパイプ受けの部分の長さはおよそ95mmである。シンプルな構造ながらも、強度的には不足のない印象だ。パイプを固定するロックネジも装備され、さらにスライドパイプ受けには、鏡筒を伸ばして観望形態にしたときの位置決めとパイプのずり落ち防止機構も組み込まれている。パイプの側面に穴を空け、この穴にスプリングでテンションを与えた金属球を落とし込むというものである。
架台部と鏡筒は分離したまま運ぶことができるので、観望場所についたら架台を地面に置いて鏡筒を乗せ、耳軸のフリクションコントロール用のハンドルを取り付けてから、鏡筒を伸ばしてパイプをロックネジで固定することで観望状態になる。所用時間は数分もあればじゅうぶんだ。