フード根本のゴールドリングが目立つAX103S鏡筒。気になるのは、光学系の豪華さに対する接眼部まわりの「普通さ」。固定式の大型天頂ミラーやプリズムではなく、普及機的なフリップミラーの標準装備にはやや違和感がある。デュアルスピードフォーカサーも標準装備としてほしい。
ビクセンの開発者は「中心像は2枚玉のフローライトアポを超えさらに像面の平坦な光学系を、エコレンズだけを使って達成した」という。対物レンズは凹凸凹という並びの3枚構成で、中央の凸レンズにEDガラスを採用。レンズの間隔が20mmほどもあるのが特徴的だ。4枚目のレンズはドローチューブ内部に組み込まれている。光学系は、もちろん4枚のレンズすべてでベストな性能を得られるように設計されている。簡潔に光学系の形式を述べるなら4群4枚構成ということになるが、対物レンズとフラットナー系という役割が明確になっているので、「3枚玉+フィールドコレクター」というビクセンの表現はきわめて的を射たものであろう。筒内とドローチューブ内には、不等間隔に遮光リング(バッフル)が配置されている。
口径 | 103mm(マルチコート) |
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焦点距離 | 825mm |
口径比 | F8 |
分解能 | 1.13秒 |
サイズ | 長さ687mm(フード収納時)、外径115mm |
重さ | 6.4kg(本体4.6kg) |
ファインダー | 7倍50mm 実視界7度 暗視野照明付き |
パーツ取付サイズ | ネジ込 60mm・42mm Tリング用ネジ差込50.8mm、31.7mm(フリップミラー) |
付属品 | 鏡筒バンド、アタッチメントプレート、金属製キャリングハンドル |
価格 | 630,000円 |