03時:ダッシュ
東北東に転じ夏の大三角を強行突破
ゴールに向けて加速
このエリアでは、東の地平線から昇ったばかりの夏の大三角付近に点在するメシエ天体6ポイントを通過していきます。小天体が多いですが、明るいものばかりなので、30分ほどで走り抜けたいところです。
まずは、こと座の惑星状星雲M57と球状星団M56の2つですが、どちらも意外によく見えるので心配ありません。そして、そのままはくちょう座β星を経由して、こぎつね座の惑星状星雲M27に立ち寄り、そのまま南下してM71をチェックします。今度は、はくちょう座γ星のすぐ南にある小型の散開星団M29をかたづけて、デネブの東にある散開星団M39に向かいます。M39は大きく広がっているので、双眼鏡かファインダーで充分見えるでしょう。このあたりは天の川のまっただ中ですが、視野の中を流れる星の多さには、改めて驚かされます。
このエリアを強行突破できれば、先が見えてくるし、冷えきった体を、熱いコーヒーで温める余裕だって生まれようというものです。ゴールまでもうひとがんばりです。
ルート案内
M57は、こと座β星とγ星の間にある惑星状星雲。リング星雲の名で親しまれている。小さいがくっきりとリング状に見える。γ星からはくちょう座β星アルビレオの方向にある小さな球状星団がM56。望遠鏡で丸い星雲状、周辺の星が分解して見えるかな。
アルビレオをはさんでM27を見る。惑星状星雲中最大の大きさで、や座γ星の北3度にあるこぎつね座のM27は、あれい状星雲の名でおなじみ。双眼鏡でもけっこうよく見え、まさにあれい形、または地図の銀行マークの形に見える。
続けてや座のγ星とδ星の間にあるまばらな球状星団M71に移る。望遠鏡で倍率を上げると周辺の星がパラパラと見えてくる。こんどは北へ転じて、はくちょう座の北十字の中心γ星の南約2゚に40番星とならんでいる散開星団M29を探す。望遠鏡でも十数個の星が集まっているにすぎない。さらの北のM39は、デネブの北東約7.5゚にある中型の散開星団。夏のM天体の中でもっとも北に位置するため見落としがち。ファインダーで十数個の星が三角形に集まっていることがわかる。位置がわかりにくく双眼鏡向き。
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