まもなく極大を迎えるミラ型変光星さんかく座R

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ミラ型変光星のさんかく座Rが11月下旬の極大に向かって急速に明るさを増している。周期が短めでメリハリのきいた光度変化を見せてくれるさんかく座Rを、ぜひ観測してみよう。

【2024年10月16日 高橋進さん】

さんかく座は秋の宵空で天頂近くに見えます。コンパクトでやや暗いものの、形がわかりやすく、意外と見つけやすい星座です。この星座の領域内にある天体さんかく座Rは、さんかく座γから東に5度のところにあるミラ型変光星です。

さんかく座R周辺の星図
さんかく座R周辺の星図。数字は恒星の等級(53=5.3等)を表す。画像クリックで表示拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

変光周期は267日で、ミラ型変光星としては短い星です。極大等級はおよそ5.5等、極小等級は12等で、極大前後を観測するなら双眼鏡だけでも観測可能な変光星です。周期が短めのため光度曲線はメリハリのきいたものになり、明るくなっていく時は傾斜が急で、それに比べると暗くなっていく時は少し緩やかなカーブになります。明るくなっていく時の増光スピードは1日あたり0.05等くらいですが、たまに明るくなっていく時に一時的な光度上昇の停滞が見られることがあります。そうした場合には停滞期の後に急激に明るくなっていくケースがあり、増光スピードが1日あたり0.1等になることもあります。

さんかく座Rの2023~2024年の光度
さんかく座Rの2023~2024年の光度(VSOLJメーリングリストのデータから高橋さん作成)

さんかく座Rは今年の8月上旬に11.8等の極小を迎え、その後は日ごとに明るさを増しています。10月11日では8.5等になり、さらに明るくなっています。この後の予想では11月末ごろに、およそ5.5等の極大を迎えると思われます。

前回と前々回の極大はどちらも春に極大だったため、極大期の様子が明らかではありませんでした。さんかく座が見やすい秋に極大を迎えるということで、今回は絶好のタイミングです。この機会にぜひ多くの皆さんの観測をお願いします。

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