極大を迎える変光星いっかくじゅう座X

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冬の大三角の中にある半規則型変光星「いっかくじゅう座X」が明るさのピークを迎えようとしている。小型の天体望遠鏡でも見やすい変光星だ。

【2026年4月7日 高橋進さん】

いっかくじゅう座X(X Mon)はその名のとおり、冬の大三角の中に広がるいっかくじゅう座の変光星です。おおいぬ座の輝星シリウスから北に8度、散開星団M50のすぐそばにあります。半規則型変光星(SR型)に分類され、155日ほどの周期でおよそ6.5~10等級まで変光します。SR型のなかでもSRa型と言われる周期性の良い天体で、ミラ型変光星にかなり近いタイプの変光星です。

いっかくじゅう座X周辺の星図
いっかくじゅう座X周辺の星図(「ステラナビゲータ」で星図作成)

このいっかくじゅう座Xが極大光度を迎えようとしています。日本変光星研究会の広沢憲治さんによる予報によると、いっかくじゅう座Xの次の極大は4月13日とされています。最近の光度変化では、2025年11月初旬におよそ7等の極大となった後、2026年2月初旬におよそ9.5等の極小になり、その後は1日に0.05等の速度で明るくなっています。このままいけば予報どおり4月中旬に極大を迎えるものとみられます。

いっかくじゅう座Xの光度
いっかくじゅう座Xの光度(2025~2026年)(VSOLJのデータから高橋さん作成)

変光周期は安定しているいっかくじゅう座Xですが、変光幅はその時々でばらつきがあります。最近は6.5等から10.0等くらいの大きな変化が見られますが、2000年から2012年ごろは7.0等から9.0等くらいと幅が小さい時期もありました。今回、そして今後の光度変化がどのようになるかも目が離せないところです。

いっかくじゅう座Xの光度
いっかくじゅう座Xの光度(2004~2026年)。画像クリックで表示拡大(VSOLJのデータから高橋さん作成)

変光星の観測では周囲の星と比較して明るさを見積もりますが、この目測の際に使う比較星には注意が必要なものもあります。台湾の有名な天文家の蔡章献さんがかつて変光星を発見されたときに「見つけられた変光星はどのあたりの星だったのですか?」とお伺いしたところ「いっかくじゅう座Xのすぐ近くです」とご回答をいただいたことがありました。このあたりの領域には光度変化の疑いのある星がいくつかあるそうで、そのようなものは比較星には使用できません。

いっかくじゅう座X周辺の星図
いっかくじゅう座X周辺の変光星図。白丸が変光星の位置。数字は比較星の等級(60=6.0等)を表す。画像クリックで表示拡大(出典:ぴーとの星図より作図)

ずっと観測していると変光星の疑いのある星というのもわかってくるのですが、とりあえずは比較星を少し多めに取ることで、目測値を改善させることも必要なようです。変光星観測者の皆さんの観測報告が行われるメーリングリストでも先日、神奈川県の高島弥さんから「X Monについて他の皆さんの観測データとの差が気になって比較星を多めに取って目測すると、精度が良くなったようです」とのお話がありました。変光星図を参考にして、ぜひこの機会にいっかくじゅう座Xを観測し、明るさを見積もってみてはいかがでしょうか。

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