世界初、形成途中の惑星を直接撮像

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若い恒星の周囲を取り囲む円盤中に、現在作られつつある形成途中の惑星が見つかった。こうした天体の存在が間接的に示されるのではなく直接撮像されたのは初めてのことだ。

【2015年11月20日 University of Arizona

「LkCa 15(リックカルシウム15星)」は周囲に遷移円盤を持つ若い星で、地球から450光年彼方のおうし座の方向に位置している。LkCa 15を取り囲む円盤の内側には隙間があるが、隙間の存在はそこで惑星形成が進んでいる可能性を示唆している。円盤内の物質が中心星ではなく惑星へと落ち込むことで、中心星と円盤の間に隙間ができると考えられるからだ。

米・アリゾナ大学の研究者たちは、巨大双眼望遠鏡(Large Binocular Telescope:LBT)の補償光学システムと新撮像技術や、チリ・ラスカンパナス天文台マゼラン望遠鏡の補償光学システム「MagAO」を使って、LkCa 15の円盤の内側に存在する形成途中の惑星の姿をとらえることに成功した。

惑星形成中の証拠となった画像
惑星形成中の証拠となった画像。(青)MagAOデータ、(緑と赤)LBTデータ(提供:Picture: Steph Sallum)

「Hα線という(輝線星雲に見られるような)赤い光が、惑星とLkCa 15の両方から放射されています。つまり、共に同じ成長過程を経ているということです。わたしたちは、はるかに明るいLkCa 15の光とかすかな惑星の光を分離し、成長中の天体が非常にはっきりと赤く光っているところをとらえました」(米・アリゾナ大学 Laird Closeさん)。

はっきりとした色は惑星形成の確かな証拠であり、こうした現場をとらえた世界初の成果となった。これまでに約2000個の系外惑星が見つかっているが、直接撮像されたのは10個ほどしかなく、しかもそれらは形成中ではなくすでに形成されたものだ。

形成途中の惑星の、過去5年間の動き(破線)
形成途中の惑星の、過去5年間の動き(破線)。クリックでYouTube動画へ(提供:Animation: Andrew Shuta (Univ. Arizona), Conceptualization: Laird Close (Univ. Arizona), Illustration: NASA/JPL-Caltech, White Disk VLA image: Adnrea Isella, Other images: Magellan and LBT telescopes)

「今まで形成中の惑星の検出に確実に成功した例はありません。過去の直接撮像に関してはいろいろな解釈が挙げられましたが、私たちの成果に議論の余地はないでしょう」(アリゾナ大学 Stephanie Sallumさん)。

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