西村さん、さそり座に新星を発見

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静岡県の西村栄男さんが2月1日、さそり座に約12等級の新星を発見した。

【2017年2月15日 VSOLJニュースCBAT

著者:前原裕之さん(国立天文台)

2月の明け方の東の空には早くも夏の星座が見えるようになってきています。この時期には明け方の南東の空に見えるさそり座の中に新星が発見されました。新星を発見したのは静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんです。

西村さんは2月1.862日(世界時、以下同様、日本時間2日5時40分ごろ)にさそり座付近を焦点距離200mmのレンズとデジタルカメラで撮影した画像から11.7等の新天体を発見しました。この天体は西村さんが1月30.868日に撮影した画像には既に12.5等で写っていたものの、1月25.872日に撮影した画像や2016年以前に撮影した画像には、この天体の位置に13等よりも明るい天体はみられないことから、つい最近明るくなった天体であることががわかりました。千葉県の清田誠一郎さんや野口敏秀さんによって行われた確認観測によると、この天体の正確な位置は以下のとおりです。さそり座μ1、μ2の近くです。

赤経  16h52m18.63s
赤緯 -37°54′18.4″ (2000年分点)

さそり座の新星
さそり座の新星の確認観測画像(撮影:清田さん)

2月12.3日にこの天体の分光観測がチリのセロ・トロロ天文台にある口径4.1mのSOAR望遠鏡で行われました。この天体スペクトルには幅が広くダブルピークの線輪郭を持つ水素のバルマー系列やヘリウムの輝線が見られることから、この天体が古典新星であると判明しました。

この新星は発見後比較的早く減光しており、これまでに行われた観測によると、2月6日にはおよそ13等、10-11日には14等まで暗くなりました。

さそり座の新星の位置
さそり座の新星の位置。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」で表示)

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