「ジュノー」、軌道変更を取りやめ

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木星探査機「ジュノー」は現在、53日周期の軌道で木星を周回している。これを14日周期に短縮する計画があったが、再検討の結果、53日軌道に留まり続けることが決まった。

【2017年2月23日 NASA JPL

探査機「ジュノー」は昨年7月4日に木星に到着し、今月上旬までに木星を4周して観測を行った。最接近時には木星の雲頂から4100kmまで高度を下げ、雲を見透かしてオーロラを観測し、木星の起源や構造、大気、磁気圏に迫ろうとしている。

「これまでに届いたデータや画像は、驚き以外の何物でもありません」(NASA Thomas Zurbuchenさん)。

木星の南極
2月2日に雲頂から10万1000kmの距離からジュノーが撮影した木星の南極(提供:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/John Landino)

当初の飛行計画では、ジュノーは53日周期の軌道で木星をもう2周してから、残るミッション期間では軌道周期を14日に短縮することになっていた。しかし、探査機の状態や軌道変更のリスクなどを考慮した結果、計画を取りやめて53日周期の軌道に留まり続けることに決まった。

軌道変更は行わないものの、木星への最接近距離は53日周期でも14日周期でも同じなので、最接近時に得られるデータの質は変わらない。また、長周期の軌道では木星から大きく離れる期間があり、そのときには遠く広がった木星の磁気圏を観測するチャンスとなる。これは当初計画にはなかった探査上のボーナスだ。木星の磁気圏尾部や磁気圏界面、磁気境界領域などを理解し、磁気圏と太陽風とがどのような相互作用を起こしているのかを理解することは非常に重要である。

「長い周回軌道のもう一つの利点は、ジュノーが強力な放射帯の中を飛行する時間が短くてすむことです。放射線はジュノーの寿命を短くする主な要因なので、これは大きなメリットです」(ジュノー主任研究員 Scott Boltonさん)。

ジュノーの探査期間は来年7月までとなっている。その間には科学的な探査だけでなく、天文ファンからの投票によって撮影対象が決められるカメラ「ジュノーカム(JunoCam)」の稼働も予定されている。

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