チャンドラX線望遠鏡、超新星残骸N49Bに大量のマグネシウムを発見

【2004年3月29日 Chandra Photo Album

NASAのX線観測衛星チャンドラが捉えた、大マゼラン雲にある超新星残骸N49Bの画像が公開された。1万年もの間広がり続けている数百万度のガス雲のようすなどが写し出されている。

(チャンドラの捉えた超新星残骸N49Bの画像)

超新星残骸N49B(提供:NASA/CXC/Penn State/S.Park et al.)

右の画像は特別な処理が施されたもので、ここには予期されていなかった大量のマグネシウム(青緑色)が捉えられている。マグネシウムは、星の内部で作られ、超新星爆発の際に放出されるものだ。通常、マグネシウムは酸素と一緒に存在しているが、大量のマグネシウムが検出されているにもかかわらず大量の酸素が検出されない理由についてはわかっていない。

また、マグネシウムの量が太陽質量に相当することもわかっている。われわれの太陽に含まれるマグネシウムは、太陽の全質量に対してたった0.1%にすぎない。したがって、N49Bのマグネシウムの総量は、太陽(さらには、その他の惑星)に通常含まれる量の約一千倍ということになる。

マグネシウムは、地球の地殻には8番目に多い物質で、われわれの細胞になくてはならないミネラル分だ。筋肉や神経機能、心臓の働き、骨の健康など、われわれの体に大きくかかわっている。つまり、超新星爆発はわれわれの存在になくてはならい現象なのである。